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売買事例 0703-B-0003
位置指定道路の通行権

道路位置指定によって第三者に通行権が生じるか。地目が「公衆用道路」の場合はどうか。

事実関係
 
  このたび道路位置指定を受けた他人の私道を通行しなければならない土地を仲介する。ところが、この土地は地目が「公衆用道路」になっているので、一般の人も通行している。
質問
 
  1.この私道の場合、近隣の人に通行権があると考えてよいか。
 
2.私道の所有者から、通行料が請求されることはないか。
回答
 
  1.結論
 
質問1.について
通行権があるとは断定できない。地目が「公衆用道路」であっても同様である。
 
質問2.について
(他人の土地である以上)請求されることもありうる。
 
2.理由
 
(1)について
道路位置指定は、道路(私道)を建築基準法上の道路とするための行政処分であるが、その効力として、道路内に建築物を建築したり、その道路を変更または廃止することが制限される(建築基準法第44条、第45条)。
したがって、一般の第三者もその私道を通行するのに障害がなくなるのではあるが、これは道路位置指定という行政処分によって受ける公法上の反射的利益であって、道路位置指定によって新たに通行地役権などの私法上の権利を発生せしめるものではない。同様のことは、建築基準法第42条第2項のいわゆる「2項道路」についてもいえる(東京地判昭和58年2月14日判時1091号106頁。後出:【参照判例】参照)。

したがって、(極めて特殊なケースとして)「慣習上の通行権」が認められるような特段の事情がない限り(岡山地倉敷支判昭和50年2月28日判時794号99頁。後出:【参照判例】参照)、近隣の人には通行権があるとはいえない。

 
(2)について
(略)
参照判例
 
  ○ 東京地判昭和58年2月14日(要旨)
建築基準法上の道路位置指定を受けた道路敷の所有者は、右指定につき適法な廃止・変更があるまで私道の所有権の行使に当たり法令上道路としての用に供すべき負担および制限を受けることになるが(その結果、一般人もその私道を通行できることとなるが、これは道路位置指定があることの反射的効果であること、つまり右指定はあくまで建築法規上、建築を可能にするための行政処分であって、それによって通行地役権等私法上の権利を発生させたり強化したりする効力を直接もつものではなく、それは特別の合意あるいは民法上の相隣関係の規定等に委ねられている)、右は同法第42条第2項の指定道路についても同様であると解される。
 
  ○ 岡山地倉敷支判昭和50年2月28日(要旨 (注))
本件道路は、昭和44年暮れから同45年初めにかけて築造されていたもので、X1は同46年2月に、X2 は同49年2月に、X3は同年9月に、X4は同46年12月に、それぞれ所有地を取得したこと、弁論の全趣旨によると本件道路を通行のため常時継続して使用してきたことが明らかであるから、Xらは、慣行に基づく通行権を有することを一応肯定することができる。
 
  (注) この事件は、仮処分申請事件であり、他の通行権も競合して認められており、慣習上の権利についてだけの裁判が行われたものではない。
監修者のコメント
 
他人の私道を通行しなければならない土地を仲介する場合、道路位置指定を受けていたとしても、他の種類の道路と同じと考えてはならない。地目が「公衆用道路」になっているからといって、公道と同じように誰でも自由に通行できるというわけではない。その私道の所有者が通行を妨害することが、その態様いかんによって、権利濫用、不法行為となり得るが、通行についてその所有者の了解を取ることが、紛争の未然防止にとって必要である。

より詳しく学ぶための関連リンク

“スコア”テキスト丸ごと公開! 「位置指定道路」
“スコア”テキスト丸ごと公開! 「他人の私道の通行・掘削同意」
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