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重要事項説明
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○2項道路に接した敷地に建物を建築する場合、「セットバック」が必要となります。 ○「セットバック部分」は道路の一部となり、敷地面積には含まれません。 ○このことを一般消費者に正確にわかりやすく伝えないとトラブルになります。
建築基準法第3章の規定が適用されるに至った際、A点からB点を経てC点に至る幅員4m未満の道のうちA点からB点までの部分にのみ建築物が存した場合、B点からC点までの部分が同法42条2項にいう現に建築物が立ち並んでいる道に当たらないとされた事例(最高判平20.11.25)
京都市において、包括指定(京都市では、基準時に、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満1.8m以上の道で袋路を除くものを包括的に2項道路に指定)している2項道路に位置する土地に対して、2項道路に当たらないとして、2項道路指定処分が存在しないことの確認を求めた事例。
建築基準法第3章の規定が適用されるに至った際、A点からB点を経てC点に至る幅員4m未満の道のうちA点からB点までの部分にのみ建築物が存しており、B点から幅員4m未満の道が分岐し(B点からこの道を経由して法上の道路に至ることも可能であった)、さらにB点からC点までの道が相当の長さを有していた場合において、B点からC点までの部分が同法第42 条第2項にいう現に建築物が立ち並んでいる道に当たらないとされた。
下図のような、幅員3.8mの道路に面する敷地Aを媒介することになった。以前同じ道路に面する敷地Bを直近で媒介し、その時の調査結果で、敷地Bは、2項道路に面し、建物の建築はできるが、中心線から0.1m後退する必要があることは分かっている。 以下の記述のうち正しいものはどれか。
1.敷地Aの前面道路と、敷地Bの前面道路は、公道と公道を結ぶ道路で、全体として2項道路に指定されているものであるから、敷地Bについても2項道路に接面する土地と考えてよい旨、売却の相談を受けた時に答えた。
2.1だけでは、敷地Aの前面道路が、2項道路と断定できないが、敷地Aの南側隣接地Cにおいて、最近建築確認が下りて、適法に建物が建っている場合には、敷地Bについても2項道路に接面する土地と考えてよい旨売却の相談を受けた時に答えた。
3.南側隣接地Cは、東側道路に接して建物を建てているようだが、東側道路から0.1m後退して建築されていなければ違法と思うと相談時に答えた。
4.建築基準法施行時の、昭和25年11月23日(基準時)に建物が立ち並んでおらず、敷地Aの前面道路は、2項道路の指定を受けていない可能性があり、もしそうならば建物が立たない敷地の可能性がある旨相談時に伝えた。
答え:4
1.誤り 記述のとおり、B敷地の前面が2項道路であったとしても、A敷地前面のb地点からc地点が、建築基準法第3章の規定が適用されるに至った際、42条2項にいう現に建築物が立ち並んでいる道に当たらないとされている可能性があります。
2.誤り 隣接のC敷地は、南側道路を建築基準法上の道路として建築確認を取っている可能性があります。
3.誤り 隣接のC敷地は、南側道路を建築基準法上の道路として建築確認を取っており、東側道路が2項道路ではないとすると、東側道路からのセットバックの必要もありません。
4.正しい 前述トラブル事例を参照してください。
2項道路の指定は、基準時に建物が立ち並んでいることが、要件となっています。a点からb点を経てd点に至る幅員4m未満の道のうちa点からb点までの部分にのみ建築物が存した場合、b点からc点までの部分が同法第42 条第2項にいう現に建築物が立ち並んでいる道に当たらないとされた例もあり、A敷地前面の道路が2項道路かどうかの確認が必要です。
○2項道路の中心線は所轄の役所に必ず確認しましょう。 ただし、2項道路は原則私有地なので、役所で確認できない場合も少なくありません。その対応も役所によって異なる場合もあるので、個別ごとに確認する必要があります。
○現況4m以上の道路でも2項道路の場合があります。 2項道路に面する土地の開発行為により幅員4m以上の道路が築造された場合、2項道路の指定を取り消す特定行政庁と取り消さない特定行政庁があります。 取り消されない場合は、開発行為が行われた土地の対面の土地については2項道路の中心線からのセットバックが必要となります。 道路の調査では、指定道路図と指定道路調書を入手し、セットバックの要否を確認しましょう。
○敷地の反対側から一方的後退を求められることもあります。
○敷地のセットバックの説明は、買主に分かりやすく行いましょう。 道路関係の法規は複雑なので、思い込みや自分勝手な判断をしてはいけません。 2項道路の指定がある同じ系統の道路でも、対象地の前面が必ずしも2項道路に指定されているとは限りません。
○「現に建築物が立ち並んでいる」は、基準時に建築物が最低2棟以上立ち並んでいる道であることが必要ですが、個別実態を見て判断されます。 現在の立ち並び状況は、2項道路の指定要件とは直接的には関係がありません。 状況判断で2項道路と思い込まないことが重要です。