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賃貸事例 1204-R-0100
貸主死亡後の遺産分割協議前の代表者との契約方法

 賃貸アパートの貸主が死亡し、現在4名の相続人が貸主になっているが、遺産分割協議が調うまでの間の賃貸借契約をどうしたらよいか迷っている。このような場合、相続人のうちの1名を代表者として、法的に問題がないように契約を締結するにはどうしたらよいか。

事実関係

 当社は賃貸の媒介業者であるが、このたびアパートの貸主が死亡し、現在4名の相続人が貸主になっているが、空部屋の賃貸借契約の媒介にあたり、まだ遺産分割協議が調っていない段階での契約方法をどうするか迷っている。

質問

  •  このような場合、賃貸借契約の締結を、4名のうちの代表者1名が単独で行っても問題ないか。
  •  その場合、法的に問題なく行うにはどのように行ったらよいか。

回答

1. 結 論
 質問1.について ― 問題ない。
 質問2.について ― 遺産分割協議が調うまでの期限付で、他の3名から代表者あてに、それぞれの持分について賃貸権限を委譲する旨の確認書を提出してもらい、その写しを重要事項説明書に添付したうえで、重要事項説明書にその代表者を貸主とする旨記載しておくことにより、賃貸借契約を代表者単独で行うことができる。その場合、遺産分割協議が調った場合には、すみやかに新しい貸主との間で賃貸借契約を締結する旨の合意をしておくことが必要であろう。
2.    理 由
 共有物の賃貸借を「管理行為」とする見解に従えば、その賃貸借契約を締結するには、共有者の共有持分の過半数をもって決すればよいが(民法第252条)、今回の方法はその共有者が全員一致で、そのうちの代表者1名に賃貸権限を委譲する方法をとるので、貸主側においては法的に何ら問題は生じない。一方、借主に対しても、媒介業者がその代表者に賃貸権限があることを事前に重要事項として説明するので、借主との間においても問題が生じる余地はない。

参照条文

 民法第252条(共有物の管理)
 共有物の管理に関する事項は、前条(共有物の変更)の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

監修者のコメント

 貸主が死亡し、その相続人が複数になる場合、共同相続人は賃貸物件について法定相続分に応じた共有持分をもつことになる。
 そして、遺産分割によってその物件の所有者が確定するまでは、共有物の貸主として相続人全員が共同貸主としての立場に立つ。しかし、全員が貸主として契約書に署名捺印するのは煩わしいので、代表者1名が他の相続人の代理人として契約を締結するのは、いっこうに差し支えなく、むしろそのほうが現実的である。ただ、あくまでもその代理は、委任者の意思に基づかなければ無権代理(無効)になってしまうので、代表者以外の者の委任状と印鑑証明をとってもらうことが必要である。少なくとも、「代表者」という言のみを信じて紛争になってしまった場合は、借主から仲介業者としての調査義務違反の責任を問われることになる。

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