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賃貸事例 0901-R-0055
自社の賃貸借契約締結の自社媒介と媒介手数料受領の可否

 自社の他部門が賃貸借契約を締結するのに際し、その物件を紹介した不動産部門がその媒介に入り、媒介手数料を受領することができるか。

事実関係
 当社は宅地建物取引業者であるが、当社の飲食店部門がその従業員用宿舎として、賃貸用のワンルームマンションを探している。
そこで、媒介手数料を客付け業者が全額受領できる物件を当社の不動産部門が飲食店部門に紹介したが、その情報に基づいて賃貸借契約が成立した場合、当社(不動産部門)が当社(飲食店部門)から媒介手数料を受領することができるのかということが問題になった。
 
質問
当社は、そもそも媒介手数料を受領することができるのか。
 
回答
1.結論
  媒介手数料としては受領することはできないが、貸主側の媒介業者との間で話し合いがつけば、貸主側の業者が貴社から受領する媒介手数料について、その一部を減額させることは可能である。
2.理由
(1) 報酬請求権は、媒介業者の媒介行為により、その目的たる契約が成立したときに発生する。
そのため、媒介業者に報酬請求権が発生するための要件として、一般に次の4つが必要とされている。
 
1. 媒介業者と委託者との間に「媒介契約」が存在すること
2. 媒介業者の「媒介行為」が存在していること
3. 委託者と相手方との間に目的たる「契約が成立」したこと
4. 媒介業者の媒介行為と目的たる契約の成立との間に「因果関係」が存在すること
(2) ところで、契約とは、相対する2人以上の当事者が合意をすることによって、権利義務関係を作り出す行為をいうとされている。
したがって、いかに貴社の不動産部門が飲食店部門からの依頼によって物件を探索し、賃貸借契約に結び付けたとしても、それは、あくまでも同一法人内の中でのことであって、「媒介契約」に基づくものではない。つまり、本件の貴社の行為は、借主としての契約主体である貴社が、みずから物件を探索し、その相手方である貸主との間で賃貸借契約を締結するということであるから、貴社の「媒介行為」によって契約が成立するわけではないということなのである。
ということは、本件の場合に媒介契約や媒介行為を行う主体は、貴社ではなく、貸主側の媒介業者であって、その貸主側の媒介業者が媒介行為を行うことによって契約が成立したときに、報酬請求権が発生するのである。
したがって、貴社としては、その貸主側の媒介業者が貴社(飲食店部門)から受領する媒介手数料の額について、話し合いにより、それまでの寄与度に応じた額の減額を要求することができる程度であって、当然に減額の請求ができるというものでもない。
なお、この点について、商法は後記【参照条文】にもあるとおり、商人が「他人のために」行為をしたときに報酬を請求することができると定め(商法第512条)、民法においても、報酬は、委託者と受託者との間の「契約」(特約)によって定めた場合に限り、請求することができると定めている(民法第648条)。
 
参照条文
  ○商法第512条(報酬請求権)
商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、相当の報酬を請求することができる。
○民法第648条(受任者の報酬)
(1) 受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。
(2) (略)
 
監修者のコメント
 同一会社のある部門からある部門に媒介手数料を支払うということは、内部的に金銭が移動するという観点からすれば別に差し支えないが、権利義務という法的見方からすると自社が自社に支払うということである。権利を有する者がその権利に対応する義務を負うことであって論理的に成り立たない。本ケースは、内部的な金銭の移動はあり得ても、少なくとも媒介手数料の請求権とか受領権限あるいはその支払義務という関係は成立しない。

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