不動産相談

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ホームページに掲載しています不動産相談事例の「回答」「参照条文」「参照判例」「監修者のコメント」は、改正民法(令和2年4月1日施行)に依らず、旧民法で表示されているものが含まれております。適宜、改正民法を参照または読み替えていただくようお願いいたします。

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ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
掲載されている回答は、あくまでも個別の相談内容に即したものであることをご了承のうえご参照ください。
掲載にあたっては、プライバシーの保護のため、相談者等の氏名・企業名はすべて匿名にしてあります。
また、参照条文は、事例掲載日現在の法令に依っています。

売買事例 1104-B-0132
役所の「お願いごと」に対する重要事項説明

 役所で建築基準法の法令上の制限について調査をしていたところ、職員から、あくまでも「お願いごと」という前提で、「土地の面積は○○㎡以上にしてください」と言われた。このような役所の職員の「お願いごと」についても、重要事項として説明をしなければならないか。説明するとした場合、どのように説明したらよいか。

事実関係

 当社は不動産の媒介業者であるが、このたびある土地の売買の媒介をするために、その土地について、所管の行政庁で建築基準法上の法令上の制限を調査していたところ、職員から、「これはあくまでもお願いごとですが」という断りのもとに、「土地の面積は○○㎡以上にしてください」と言われた。そこで、その職員に理由を尋ねてみたが、はっきりとは答えてくれなかった。

質問

  •  このような職員の「お願いごと」についても、言われたことを重要事項として、買主に説明する必要があるのか。
  •  説明する必要があるとした場合、どのように説明すればよいのか。

回答

1. 結論
   質問1.について ― 説明する必要がある。
   質問2.について ― その行政庁の職員に、再度どのような理由で「土地の面積を○○㎡以上にする必要があるのか」「詳しいことはどの部局で聞けば判るのか」等について確認し、その内容をもとに、関係部局(たとえば、都市計画課、広報課など)にも足を運び、事実関係を確認したうえで、その知り得た情報を買主に説明すればよい。ただし、その情報が、今回の土地の面積だけでは、将来面積不足で建物が建たなくなるといったようなものである場合には、今回の取引そのものを中止する必要も出てこよう。
2. 理由
   建築指導課とか建築審査課などの職員が、土地の面積について、「○○㎡以上に切って欲しい」とか「○○㎡未満には分筆しないで欲しい」と言う場合は、おおむね「地区計画」などで、土地の最低面積を定める都市計画が定められる予定があることが多い。
 したがって、そのような区域にある土地を売買する場合には、あらかじめ買主に、そのような行政庁からのお願いごとがあるということを説明しておかないと、あとで買主との間で、「建物が建たない」とか「土地を売却することもできない」というようなトラブルに巻き込まれることになるので、そのようなことがないように、【回答】の結論で述べたような調査をしたうえで、できるだけ詳しい情報を説明するとともに、もしその情報が、将来「建物が建てられなくなる」ようなものであった場合には、取引そのものを中止することも必要となろう。

参照条文

○ 都市計画法第12条の5(地区計画)
   地区計画は、建築物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等からみて、一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区を整備し、開発し、及び保全するための計画とし、次の各号のいずれかに該当する土地の区域について定めるものとする。
一 用途地域が定められている土地の区域
二 (略)
  ②~⑥ (略)
   地区整備計画においては、次に掲げる事項(市街化調整区域内において定められる地区整備計画については、建築物の容積率の最低限度、建築物の建築面積の最低限度及び建築物等の高さの最低限度を除く。)のうち、地区計画の目的を達成するため必要な事項を定めるものとする。
     地区施設の配置及び規模
     建築物等の用途の制限、建築物の容積率の最高限度又は最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の敷地面積又は建築面積の最低限度、壁面の位置の制限、壁面後退区域(壁面の位置の制限として定められた限度の線と敷地境界線との間の土地の区域をいう。以下同じ。)における工作物の設置の制限、建築物等の高さの最高限度又は最低限度、建築物等の形態又は色彩その他の意匠の制限、建築物の緑化率(都市緑地法第34条第2項に規定する緑化率をいう。)の最低限度その他建築物等に関する事項で政令で定めるもの
     現に存する樹林地、草地等で良好な居住環境を確保するため必要なものの保全に関する事項
     前3号に掲げるもののほか、土地の利用に関する事項で政令で定めるもの
  ⑧ (略)

監修者のコメント

 かつて昭和40年代後半から50年代にかけて、開発指導要綱あるいは窓口指導で、一区画の面積を200㎡以上とか230㎡以上とすることを条件とした地方公共団体があり、ディベロッパー業界から批判を浴びた例があったが、それは良好な市街地の形成の観点からみて望ましいことは確かで、また結果として比較的所得階層の高い人が住民になるということももくろまれていた。
 本ケースの「お願いごと」というのは、いわゆる窓口指導といわれるものよりも、ゆるやかなもののようであるが、回答にあるように、その理由、根拠について調査する必要がある。将来における何らかの法令上の制限に結びつくものでなければ、法的には重要事項説明や告知義務の対象とはならないであろうが、人によっては、役所からそのような「お願いごと」のあるような物件であれば買わなかったなどという文句が出る可能性がある。法的な義務はともかく、そのような役所の希望があることを承知のうえで買ってもらったほうがよい。

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