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2112-R-0241
点検不能な排水管からの水漏れ事故の責任者いかん

 当社が2か月前に賃貸借の媒介をした古い分譲マンションに水漏れ事故が発生し、階下の借主に被害が生じた。原因は、上階の排水管がその床下配管を通じて下階の天井裏に配管されていたために、その下階の天井裏の配管部分から水漏れが生じ、居室に落下したものと判った。このような場合、上階の区分所有者には水漏れ事故の責任がないと考えるべきか。借主にはどのようなアドバイスをするのが適当か。

事実関係

 2か月前に当社が賃貸借の媒介をした古い分譲マンションにおいて、上階からの水漏れ事故が原因で、下階の借主の居室に損害が生じた。原因を調べたところ、その賃貸借物件の上階の専有部分からの排水管が、その専有部分の床下コンクリートスラブを通して下階の専有部分の天井裏に配管され、その配管を通じて本管に放流される構造になっていた。そのために、その下階の配管のジョイント部分からの漏れが原因で天井裏が水浸しになり、それが床スラブを浸透して居室に落下したものと判った。

質 問

1.  このような配管構造になっている配管からの水漏れ事故の場合には、その責任は上階の区分所有者にはないと考えるべきか。
2.  このような場合、媒介業者として借主に対しどのようなアドバイスをするのが適当か。

回 答

1.  結 論
 質問1.について ― 責任が全くないとはいえないが、本件の事故は共用部分における漏水事故と考えることができるので、当該上階の区分所有者だけの責任ではないということはいえる。
 質問2.について ― 本件の水漏れ事故は共用部分における事故と考えることができるので、その責任は上階の区分所有者にあるというよりは、管理組合にその責任があるものとして、貸主である区分所有者を通じ、管理組合を対象に話し合いをするようにアドバイスするのが適当であろう。
2.  理 由
⑵について
 本件の事故は、その水漏れ事故があった部分の配管の劣化状況を点検・修理することができない状況にあったことから生じたものといえるので、その水漏れ事故があった天井裏の配管部分は区分所有者が自ら点検・修理をすべき専有部分内にあったというよりも、共用部分内にあったというべきであり、そのために、その水漏れ事故を起こした配管そのものは共用部分と考えるべきものである(後記【参照判例】参照)。したがって、借主に対しては、本件の水漏れ事故の責任はその共用部分である設備を管理している管理組合にあると考えて、貸主である区分所有者を通じ、管理組合を相手にその後の処理の話し合いをするようにアドバイスするのが適当であろう(建物の区分所有等に関する法律第9条)。

参照条文

 建物の区分所有等に関する法律第9条(建物の設置又は保存の瑕疵に関する推定)
   建物の設置又は保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときは、その瑕疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定(注)する。
(注)「推定する」とは、反対事実を積極的に証明しない限り、推定事実の認定がなされるということであり、反対事実の証明を認めない「みなす」(擬制)と違いがある。

参照判例

 最判平成12年3月21日判夕1038号179頁(判旨)
 上階の専有部分から出る汚水が、専有部分の床下コンクリートスラブを貫通してその下階の専有部分の天井裏を通る枝管によって排水本管に流される構造であった事案において、上階床下コンクリートスラブと下階天井板との間の空間に配された部分の枝管については、上階からはコンクリートスラブ下にあるため点検・修繕を行うことは不可能であり、下階から天井板の裏に入ってこれを実施するほか方法がないという事実関係のもとにおいては、当該枝管はその構造および設置場所に照らし共用部分に当たる。

監修者のコメント

 本件のようなケースを想定して区分所有法の第9条があり、管理組合の負担において処理すべき問題である。

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