HOME > 不動産相談 > 売買 > 管理規約のない中古マンションの売買の媒介

不動産相談

当センターでは、不動産取引に関するご相談を
電話にて無料で受け付けています。

専用電話:03-5843-208111:00〜15:00(土日祝、年末年始 除く)

相談内容:不動産取引に関する相談(消費者、不動産業者等のご相談に応じます)

<ご注意>
◎ たいへん多くの方からご相談を受け付けており、通話中の場合があります。ご了承ください。
◎ ご相談・ご質問は、簡潔にお願いします。
◎ 既に訴訟になっている事案については、原則ご相談をお受けできません。ご担当の弁護士等と協議してください。

ホームページに掲載しています不動産相談事例の「回答」「参照条文」「参照判例」「監修者のコメント」は、改正民法(令和2年4月1日施行)に依らず、旧民法で表示されているものが含まれております。適宜、改正民法を参照または読み替えていただくようお願いいたします。

== 更に詳しい相談を希望される方は、当センター認定の全国の資格保有者へ ==

不動産のプロフェッショナル

ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
掲載されている回答は、あくまでも個別の相談内容に即したものであることをご了承のうえご参照ください。
掲載にあたっては、プライバシーの保護のため、相談者等の氏名・企業名はすべて匿名にしてあります。
また、参照条文は、事例掲載日現在の法令に依っています。

2110-B-0295
管理規約のない中古マンションの売買の媒介

 当社は、管理規約のない中古の分譲マンションの売買の媒介をするが、このままでは売却することが難しいので、何とか区分所有者に管理規約をつくってもらおうと思っている。しかし、管理規約をつくるための集会の決議に反対をしている大口区分所有者(未販売住戸を一括取得した分譲会社の債権者)がいるため、先に進むことができない。どうしたらよいか。

事実関係

 当社は、このたび分譲マンションが売れずに、販売中に分譲会社が倒産したために、管理規約のない中古のマンションの売買の媒介をする。しかし、このようなマンションでは管理面で問題があるので、買主を見つけることは難しい。にもかかわらず、未販売住戸(全18戸中8戸)を一括取得した分譲会社の債権者は、全戸をすでに賃貸に出しているため、管理規約をつくるための集会の決議などは必要ないと言っている。つまり、この債権者は区分所有者の1人として他の区分所有者と一緒に行動をするのが煩わしいのか、人前に顔を出したくないのか、それともマンションの管理の重要性がわかっていないのか、いずれかだろうと思われるが、いずれにしても非協力的である。

質 問

 このような場合、どのようにすれば管理規約を定めることができるか。その場合、集会を開かずに管理規約を定めることはできるか。

回 答

1.  結 論
 基本的には管理の重要性を説きつつ、大口区分所有者(債権者)を説得するということであるが、そのためには国土交通省が参考として公表している「マンション標準管理規約」などを参考にし、本件マンション用の管理規約案を作成し、その案をベースに規約づくりに協力してもらうこと(少なくとも規約案に賛成してもらうこと)が前提となる。そして、その規約案に賛成してもらえれば、あとは強いて集会を開かなくても、「書面決議」により規約を設定することはできる(建物の区分所有等に関する法律第45条第1項~第3項。以下同法を「区分所有法」という。)
 しかし、どうしても規約づくりに賛成してもらえないということであれば、残る方法は、その大口区分所有者以外の区分所有者だけで集会を招集し、大口区分所有者に参加を呼びかけるようにするしかない(区分所有法第34条第5項)が、それでも大口区分所有者が賛成しないため規約がつくれないということであれば、媒介業者としては、現状のままで売却仲介をするしかない。
2.  理 由
 管理組合を運営するためには、その前提として組合の組織や運営のルールを定めた規約を定める必要がある(区分所有法第3条)。そして、その規約は集会を開き、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数をもって設定するのが原則である(区分所有法第31条第1項)。
 しかし、本件のように集会を開くことに難色を示す大口区分所有者がいたり、かなりの戸数が売れていないマンションが販売途中に竣工してしまう場合など、特別な事情がある場合には、区分所有者全員(後者の場合には、分譲主が残戸分の区分所有者になる。)の承諾をもって、集会の決議に代わる「書面による決議」をすることができるようになっている(区分所有法第45条第1項~第3項)。すなわち、区分所有者の全員が貴社の作成した規約案に書面で賛成すれば、それが正式な管理規約として決議されたことになるのである(区分所有法第3条)。しかし、本件のようにどうしても大口区分所有者が規約そのものをつくることに反対しているのであれば、結論で述べたように、媒介業者としては、これ以上手の尽くしようがないので、現状のまま、買主にその事実を告知したうえで、売却するしか方法はない。

参照条文

 建物の区分所有等に関する法律第3条(区分所有者の団体)
   区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び付属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。(以下、略)
 同法第31条(規約の設定、変更及び廃止)
   規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によってする。(以下、略)
   (略)
 同法第34条(集会の召集)
   集会は、管理者が招集する。
   管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない。
   区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。
   前項の規定による請求がされた場合において、2週間以内にその請求の日から4週間以内の日を会日とする集会の招集の通知が発せられなかったときは、その請求をした区分所有者は、集会を招集することができる。
   管理者がいないときは、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、集会を招集することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。
 同法第39条(議事)
   集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決する。
   議決権は、書面で、又は代理人によって行使することができる。
 同法第45条(書面又は電磁的方法による決議)
   この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。(以下、略)
   この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項については、区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があったときは、書面又は電磁的方法による決議があったものとみなす。
   この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項についての書面又は電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を有する。
  ・⑤ (略)

監修者のコメント

 管理組合は、個々の区分所有者の意思いかんにかかわりなく、建物に区分所有関係が成立すれば、当然に成立するものである(区分所有法第3条)。したがって、このマンションには、理論上管理組合という団体はすでにあるが、ただ「管理者」や「管理規約」が存在しないということである。ということは、管理費や修繕積立金の徴収も共用部分の管理も行われておらず、共用部分の清掃なども適宜行われているにすぎないと思われる。
 規約を作成するためには、集会を招集する必要があるが、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上となる数の区分所有者をまとめて集会を招集することができる(区分所有法第34条第5項)ので、これに向けて大口所有者以外の区分所有者を説得するしかない(裁判を起こす方法もあるが現実的ではない)。
 ただ、そのマンションは、それで問題なく過ごしてきて、特に区分所有者間に異論がなかったというのであれば(大口区分所有者の賃貸部分を除けば、わずか10戸であり、その可能性が高い)、規約の設定などで管理費や修繕積立金の負担という問題が浮上するので、必ずしもスムーズに行くとは限らない。しかも、そのきっかけが、区分所有者の1人が売却に出すために中古マンションの仲介業者が動いているということから、心理的な反撥もあり得る。
 場合によっては、そのようなマンションであることを説明した上で、成約させることに努力するしかないかも知れない。

当センターでは、不動産取引に関するご相談を
電話にて無料で受け付けています。

専用電話:03-5843-208111:00〜15:00(土日祝、年末年始 除く)

相談内容:不動産取引に関する相談(消費者、不動産業者等のご相談に応じます)

<ご注意>
◎ たいへん多くの方からご相談を受け付けており、通話中の場合があります。ご了承ください。
◎ ご相談・ご質問は、簡潔にお願いします。
◎ 既に訴訟になっている事案については、原則ご相談をお受けできません。ご担当の弁護士等と協議してください。

ホームページに掲載しています不動産相談事例の「回答」「参照条文」「参照判例」「監修者のコメント」は、改正民法(令和2年4月1日施行)に依らず、旧民法で表示されているものが含まれております。適宜、改正民法を参照または読み替えていただくようお願いいたします。

更に詳しい相談を希望される方は、
当センター認定の全国の資格保有者へ

不動産のプロフェッショナル

過去の事例(年別)

  • 賃貸
  • 売買

ページトップへ