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2104-R-0231
建築確認前の賃貸借の媒介と報酬請求の可否

 建築確認前のビルの賃貸借を媒介することはできるか。もしできるとした場合、賃貸借契約はどのような契約形態になるか。その場合、媒介手数料は請求することができるか。

事実関係

 当社は、あるビルのオーナーから、建築確認前のビルの賃貸借の媒介を依頼された。
 しかし、建築確認もとっていない段階で、果して賃貸借の媒介ができるのかどうかわからなかったので、話は一応聞いておいたが、回答は保留した。

質 問

1.  建築確認前のビルの賃貸借の媒介というのは、できるのか。
2.  もしできるとした場合、賃貸借契約はどのような契約形態になるのか。
3.  もしできるとした場合、媒介手数料は請求することができるのか。

回 答

1.  結 論
 質問1.について ― 媒介はできるが、建築確認申請のための設計図書が完成してから行うのが望ましい。
 質問2.について ― 将来完成する建物についての賃貸借の予約、あるいは建物の完成を停止条件とする賃貸借契約の媒介という形で行うことができる。
 質問3.について ― 媒介手数料の請求については、当事者間であらかじめ支払いについての合意をしているのであれば、その賃貸借の予約なり停止条件付の賃貸借契約締結後の段階に応じた割合的な報酬請求をすることは可能と解される。しかし、その場合においても、初回の報酬請求は、建築確認が下りた段階で、全体の3分の1程度を請求するのが限度と考えるべきであろうし、もちろん建物が予定どおり完成しなかった場合には、受領済の手数料は全額返還するのが望ましいであろう。
2.  理 由
⑵について
 賃貸借契約は、諾成契約であるから(民法第601条)、現実に建物が存在していなくても、締結は可能である。すなわち、本件の場合は、すでに建物を建築する土地が確定しているようであるから、あとはその土地にどのような建物を建てるのか、その建物のどの部分を賃貸するのかということが特定できれば、賃貸借の対象にすることができる。
 しかし、そうはいっても、具体的な賃貸借契約の締結ということになれば、たとえば建築確認申請用の図面などがあり、具体的な面積や予定賃料の積算などができるような状況になっていることが望ましいことはいうまでもない。
について
 予約段階における媒介報酬については、その予約が本契約に至って初めて請求できるとしている裁判例もあり、また予約段階での割合的報酬請求については、当事者間にその支払いの合意があることが必要だとしている裁判例もあるので、本件の場合に、貴社が賃貸借の予約なり停止条件付の賃貸借契約の締結段階で、報酬の分割請求をするのであれば、それをあらかじめ媒介契約において約定しておく必要があると解されるが、それでも建築確認前の媒介ということであれば、その報酬請求は、建築確認が下りた段階で、その全体の3分の1程度を請求するのが限度と考えるべきであろうし、もとより建物が計画どおり竣工しなかった場合には、受領済の媒介手数料は全額返還するのが望ましいであろう。
 なお、本件の媒介においては、広告によるテナント募集は宅建業法に違反するので、注意が必要である(同法第33条)。

参照条文

 民法第601条(賃貸借)
   賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。
 宅地建物取引業法第33条(広告の開始時期の制限)
   宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第29条第1項又は第2項の許可、建築基準法(昭和25年法律第201号)第6条第1項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあった後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。
 同法第36条(契約締結等の時期の制限)
   宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第29条第1項又は第2項の許可、建築基準法第6条第1項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあった後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物につき、自ら当事者として、若しくは当事者を代理してその売買若しくは交換の契約を締結し、又はその売買若しくは交換の媒介をしてはならない。

監修者のコメント

 未完成物件について開発許可、建築確認その他政令で定める行政処分があった後でなければ、できない行為は、賃貸借について言えば、その代理・媒介の広告であり(宅建業法第33条。賃貸借の代理・媒介は、同条の「業務に関する広告」である)、代理・媒介自体は禁止されない(同法第36条の文言上、対象とされていない)。その理由は、もともと賃貸借に関し、自ら貸主となる行為は宅建業法が適用されない行為であるのに、仮にその契約の代理媒介をも禁ずると、本来適用されない契約について事実上禁止の効果が及んでしまい適切でないからである。これに対して、広告のほうは、やはり建築確認等をとっていない物件について、広く広告することを認めるのは好ましくないと判断したからである。
 なお、媒介自体は許されても、建築確認をとる前に賃貸借契約を締結することは、慎重に行わないとトラブルに巻き込まれる可能性がないではない。

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