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売買事例 1604-B-0212
中古住宅の売買における残金決済前のリフォーム工事の許諾の条件

 一般個人間の中古住宅の売買の媒介にあたり、買主から、中間金を支払うので、残金決済前にリフォーム工事を行わせて欲しいと言われた。売主は自分にリスクが生じなければ構わないと言っているが、売主にリスクが生じないようにするには、どのような方法があるか。予想されるトラブルには、どのようなことが考えられるか。その場合の媒介業者の責任はどうなるか。

事実関係

 このたび、当社が一般の個人間の中古住宅の売買を媒介するにあたり、買主から、いくらか中間金を支払うので、引渡し前にリフォーム工事をさせて欲しいという申入れを受けた。そこで、そのことを売主に伝えたところ、売主は、自分にリスクが生じないようにしてくれれば、条件次第で応じてもよいということであった。
 なお、買主は残りの残代金分について、ローンを利用する可能性もあるという。

質 問

1.  売主にリスクが生じないようにするには、どのような方法があるか。
2.  もしトラブルが生じるとした場合、どのようなケースが考えられるか。その場合、媒介業者に責任は生じるか。

回 答

1.  結 論
 質問1.について ― 本件の場合は、買主がローンを利用する可能性があるので、その場合には、リフォーム工事の着手の時期をローンの本審査が通ったあとに定めるとともに、万一買主が違約したり、ローンが実行されなかった場合の原状回復等、売主が被るであろう損害に見合う額の違約金およびローン特約に基づく契約解除後の原状回復費用相当額の損害賠償額の予定として、それぞれ手付金がそれに充当されるように定め、更にその場合の買主のリフォーム工事の出来形部分の所有権の放棄、およびその解体撤去費用相当額の予納を中間金の支払いとして行うことを最低の契約条件とする必要があろう。
 質問2.について ― 買主がローンを利用する場合には、リフォーム工事に入ってから、買主に何らかの事情が生じ、ローンが実行されなかったり、残代金の支払いができなくなったりするケースが考えられるが、そのようなケースであれば、媒介業者がその事情を事前に知っていたというようなことでもない限り、事前に媒介業者が説明し売主も了承していたのであれば、媒介業者に責任は生じない。
2.  理 由
について
 売買契約において、売主が売買代金の受領前に物件を引渡すということは、それが所有権移転前の物件の引渡しであったにしても、そのリスクはかなり大きい。まして、売主が買主に物件を引渡したあと、買主がその物件に変更を加える(リフォームする)ということであるから、尚更である。
 そうなれば、結論で述べたように最悪の場合には、売主がいつでも原状回復ができるようにしておくとともに、そのために生じた売主の損害をカバーできるだけの十分な違約金なり、損害賠償額の予定をしておくということが、売主にとっての最低の条件であろう。
について
 買主がローンを利用する場合、通常売買契約の締結前に金融機関が事前審査を行い、更に売買契約締結後に正式な審査を行う。
 しかし、通常の取引であれば、ローンの申込みから実行まで1~2か月程度はかかるので、その間に買主にローンの申告漏れや融資条件に影響を与えるような事態が生じることもあり、ローンの本審査が通ったからといって、それは絶対的なものではないのである。したがって、そのような事態の発生に対処するため、結論で述べたような措置を講じるわけであるが、その事態の発生の可能性を媒介業者が事前に知っていたというような事情でもない限り、それらは買主自身に生じた事情なので、媒介業者に責任が生じるということはない。
 しかし、媒介業者が、事態の発生のリスクを事前に売買当事者に説明しなかったり、結論⑴の特約を定める提案をしなかった場合には、媒介業者の責任を問われる可能性がある。

参照条文

 民法第415条(債務不履行による損害賠償)
 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。
 民法第420条(賠償額の予定)
 当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。
 賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。
 違約金は、賠償額の予定と推定する。

監修者のコメント

 媒介業者としては、できる限り、リフォーム工事は代金決済後に行うように買主を説得すべきである。リフォーム工事を買主が行うということは、事実上、引渡しが先行するということであり、なぜ中間金しか払えないのかが問題であって、もし残金はローンを利用するという場合は、融資実現について十分な注意が必要である。ローンを利用することを買主が明示している場合にローンの全部または一部が下りなかったときは、買主が錯誤(民法95条)による売買契約の無効を主張できる可能性があるからである。
 したがって、ローン不成就の場合も含めて、回答の違約金ないし損害賠償額の予定を定めておくべきであろう。

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