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賃貸事例 0912-R-0072
賃貸借契約の更新時における登記事項の説明

 賃貸借契約の更新時に、賃貸物件に競売開始決定の登記などがなされていることが判明した場合、そのことを入居者に説明しなくてはならないか。

事実関係
   当社は賃貸の媒介業者兼管理業者であるが、このたび近々更新される予定の管理物件の登記事項証明書を一斉に取り寄せたところ、1件の物件に税金の滞納処分による差押えの登記が、もう1件の物件は競売の開始決定による差押えの登記がなされていた。
 
質問
1.  このような事実については、更新時に、借主に説明しなければならないものか。
2.  もし、この物件が公売や競売になったら、借主の立場はどうなるか。そのことは、説明しなくてもよいのか。
 
回答
  1. 結論
(1) 質問1.について — 必ずしも説明しなければならないものではない。
(2) 質問2.について — 公・競売になった場合の借主の立場は、公売の場合と競売の場合とでは異なるので、そのことを更新時に説明すべきか否かは、一律には言えない。
 
  2. 理由
(1)(2)について

 公・競売があった場合の入居者(借主)と新たな所有者(競落人等)との関係(以下「対抗関係」という。)は、公売の場合と競売の場合とでは異なるので、両者を分けて考察する必要がある。

 まず、公売の場合には、その対抗関係は、滞納処分の差押えの登記の日と入居者の入居の日がどちらが早いかによって決められる。すなわち、入居者の入居の方が早ければ、入居者は、公売により物件を取得した者に対抗できるので、そのまま住んでいられる。したがって、ほとんどの入居者がこのケースであろうから、その税金の差押えのことを更新時にあえて説明をしなかったとしても、入居者に損害が生じることはまずないと考えてよい。
 一方、競売の場合は、その対抗関係は、担当権等の担保権の登記の日と入居者の入居の日がどちらが早いかということで決められるので、通常のケースにおいては、担当権等の登記に遅れる入居者もあり、そのような入居者にとっては、新しい所有者(競落人等)に対抗できないことになるため、更新時の説明が必要ということになる。

 しかし、そうはいうものの、途中で競売が取り下げられることもあり、実際に更新時に説明をするかどうかについては、もう少し競売の可能性が高まっている段階、すなわち競売の開始決定の登記がかなり前になされており、その債務の返済等についての債務者(貸主)の回答がおもわしくないというような状況になっていない限り、管理業者として強いて説明をしなくてはならないとはまではいえないであろう。

  なお、このような物件の引渡しを受けた借家権は、その後に物件を取得した者にも対抗できるのであるが(借地借家法第31条第1項)、その取得には、通常の売買や贈与などによるもののほか、本件のような競売や公売による場合も含まれるとされている(注)。

(注)
競売−大判昭和4年3月1日民集8巻152頁
公売−大判昭和18年5月17日民集22巻373頁

 
監修者のコメント
 本ケースの前提として、賃貸借契約の更新に係る事務は、宅建業法の適用範囲外の事項であることを確認しておいていただきたい。宅建業法の対象業務である「貸借の代理・媒介」という概念は、まだこの世に存在しなかった貸借契約を新たに成立させることであって、すでに存在する貸借契約の更新に関する業務は、貸借の代理・媒介という宅建業務ではない。したがって、本ケースの質問の趣旨が、宅建業法上の説明義務の存否ということであれば、正しくない。ただ、更新事務は、民法上の準委任契約にもとづく事務であるので、その契約上の善管注意義務の内容として、質問の説明の必要性が問題となり、その必要か否かの問題は、まさに回答のとおりである。

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