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掲載されている回答は、あくまでも個別の相談内容に即したものであることをご了承のうえご参照ください。
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また、参照条文は、事例掲載日現在の法令に依っています。

賃貸事例 0904-R-0062
借地契約の更新と地代の値上げ

 借地契約の更新の媒介をするが、更新後の期間がどのようになるかわからない。また、貸主は更新の際に地代を値上げするというが、借主が応じない。このような場合、どのような方法があるか。

事実関係
 当社は媒介業者であるが、このたび借地契約の更新の事務を依頼された。
 
質問
1.  現在の借地契約の借地期間が堅固な建物を目的とした30年となっている場合、この契約の期間は何年で更新されるのか。新法(借地借家法の20年、10年、10年……)で更新されることになるのか。
2.  更新に際し、貸主から地代の値上げを要請されているが、借主が応じない。どのようにしたらよいか。
3.  当社は媒介手数料をどの程度もらえるか。
 
回答
  (1)  質問1.について — 現在の契約は旧借地法時代の契約であるから、旧借地法での取り扱いとなる(借地借家法附則第6条)。したがって、本件の場合は、当事者間で現在の30年の期間より長い期間の取り決めをしない限り、合意更新、法定更新いずれの場合も、借地期間は30年で更新されるということになる(旧借地法第5条、第6条)。
(2)  質問2.について — いかに現行の地代が安いかということを、固定資産税などの推移や近隣相場などを参考に、時間をかけて説得していくことが肝要で、それでも借主が応じなければ、専門家を入れた調停の場で話し合ったらよい(民事調停法第24条の2、第25条)。しかし、それでも借主が応じなければ、最後の手段として、裁判で値上げを請求していくことになる(借地借家法第11条)。
(3)  質問3.について — 契約の更新は新たな契約の締結ではないので、契約の更新については宅地建物取引業法の適用はない。したがって、報酬についても適用はなく、当事者で自由に定めればよい(商法第512条)。
 
参照条文
  ○ 借地借家法附則第6条(借地契約の更新に関する経過措置)
この法律の施行前に設定された借地権に係る契約の更新に関しては、なお従前の例による。
 
○ 旧借地法第5条(合意による契約更新)
(1) 当事者カ契約ヲ更新スル場合ニ於テハ借地権ノ存続期間ハ更新ノ時ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年トス(此ノ場合ニ於テハ第2条第1項但書ノ規定ヲ準用ス)
(2) 当事者ガ前項ニ規定スル期間ヨリ長キ期間ヲ定メタルトキハ其ノ定ニ従フ
 
○ 旧借地法第6条(法定更新)
(1) 借地権者借地権ノ消滅後土地ノ使用ヲ継続スル場合ニ於テ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス此ノ場合ニ於テハ前条第1項ノ規定ヲ準用ス
(2) (略)
 
○ 民事調停法第24条の2(地代借賃増減請求事件の調停の前置)
(1)  借地借家法(平成3年法律第90号)第11条の地代若しくは土地の借賃の額の増減の請求又は同法第32条の建物の借賃の額の増減の請求に関する事件について訴えを提起しようとする者は、まず調停の申立てをしなければならない。
(2)  前項の事件について調停の申立てをすることなく訴えを提起した場合には、受訴裁判所は、その事件を調停に付さなければならない。ただし、受訴裁判所が事件を調停に付すことを適当でないと認めるときは、この限りでない。
 
○ 借地借家法第11条(地代等増減請求権)
(1)  地代又は土地の借賃(以下この条及び次条において「地代等」という。)が、土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間地代等を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
(2)  地代等の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年1割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。
 
○ 商法第512条(報酬請求権)
 商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、相当な報酬を請求することができる。
 
監修者のコメント
 新借地借家法が施行された平成4年8月1日以降に契約が更新される場合には、新法の定める契約期間の適用を受けるという誤解がしばしば見受けられる。何回更新されても、更新である以上、旧法の適用を受けることになる。
 
 次に、地代の値上げを貸主から要請されているとのことで、その進め方としては、もちろん回答のとおりであるが、その値上げの交渉を無償のサービスでなく、有償で引き受けた場合は、弁護士法第72条の非弁行為になるので注意されたい。
 
 また、宅建業法の賃貸借の「媒介」とは、この世になかった賃貸借を新たに成立させることであるので、すでにある賃貸借の更新事務は賃貸借の媒介ではなく、宅建業法46条(報酬額の制限)の適用はもちろん、そもそも宅建業法の対象範囲ではない。そこで、回答のとおり、自由に決められるが、あくまでも準委任契約の対価として受けるのであるから、報酬受領の前提は、たとえ口頭であっても準委任契約の存在である。要するに、委任を受けたからその人に報酬を請求できるのであり、更新の事務を貸主から頼まれたからと言って、当然に借主に報酬を請求できるものではない。

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