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賃貸事例 0809-R-0046
抵当権の登記がなされていない物件のサブリースによる転貸と民法395条との関係

 サブリース契約が抵当権の登記がなされていない間に締結された。その後、サブリース契約に基づくエンドユーザーとの転貸借契約が、抵当権の登記がなされた後に締結された場合、民法395条の「6か月間の明渡し猶予」の規定の適用について重要事項説明をする必要があるか。

事実関係
 当社は、賃貸の媒介業者であるが、あるオーナー(A)が所有している賃貸マンションをデベロッパー(B)がサブリースし、これをエンドユーザー(C)に転貸する。
 この物件には、現在抵当権の登記はなされていないが、いずれは登記されることもあるとオーナーは言っている。
 
質問
 このようなケースの場合、抵当権の登記がなされていない間に転貸するときは、民法第395条に定める競売がなされたときの「6か月間の明渡し猶予」の規定についての重要事項説明はしなくてもよいか。抵当権の登記がなされたあとに転貸借契約を締結するときは、どうか。
 
回答
1.結論
(1)  いずれの場合も、サブリース業者は抵当権の登記より前に対抗要件を備えることになるので、契約時点での直接的な説明義務はない。しかし、後者の場合には、サブリース契約において、サブリース業者が債務不履行その他の事由により、転貸人の地位を退いたときは、オーナー自身がエンドユーザーとの間の直接の貸主として契約の当事者になることが約定されていることも多く、そのような場合には、転貸借契約は終了し、オーナーとの新たな賃貸借契約が締結されることとなるので、そうなると、転借人(エンドユーザー)の立場は、抵当権者に劣後することとなる。したがって、そのような場合には、民法第395条の規定が適用されることについて、媒介時に説明しておく意義はある。
2.理由
(1)  質問の2つのケースは、いずれも最初の賃貸借契約の当事者が、貸主がオーナー(A)で、借主がデベロッパー(B)である。そして、その契約の時点においては、いずれのケースも抵当権の登記より前に契約がなされ、物件の引渡しがなされるわけであるから、借主兼転貸人であるデベロッパー(B)は、競売の場合に競落人に対抗することができる(借地借家法第31条。大判昭和4年33月1日民集8巻152頁、広島高岡山支判昭和50年2月24日高民集28巻1号39頁)。したがって、そのような競落人に対抗できる借主(B)が転貸人になるわけであるから、転借人であるエンドユーザー(C)も競落人に対抗できるということになる。
(2)  しかし、そのような借主兼転貸人が賃料の不払い等の理由により賃貸借契約を解除され、転貸人たる地位を失った場合には、エンドユーザーである転借人は、転借人たる地位を失うことになる(最判昭和36年12月21日民集15巻12号3243頁)。そこで、1.結論で述べたとおり、通常のサブリース契約(賃貸借契約)ならびにそれに基づくエンドユーザーとの転貸借契約においては、そのような事態に備えて、貸主(オーナー(A))とエンドユーザーとの直接契約に切り替えることができるように定められていることが多いのであるが、それでも、後段の【質問】にあるように、抵当権の登記がなされたあとにオーナーとの直接契約に切り替わった場合には、抵当権の登記に後れる賃貸借として、民法第395条の「6か月間の明渡し猶予」の規定の適用を受けることになる。
 
参照条文
  ○ 民法第395条
 抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって次に掲げるもの(中略)は、その建物の競売における買受人の買受の時から6か月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。
一 競売手続の開始前から使用又は収益をする者
(以下略)
○ 借地借家法第31条
(1)建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。
(2)(3)(略)
 
監修者のコメント
平成16年4月1日の民法改正により、競売手続の円滑化のため、抵当権との関係における「短期賃貸借保護の制度」が廃止された。これに伴い、抵当権と賃借権の関係は大幅に改正されたので、注意が必要である。

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