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賃貸事例 0809-R-0045
建設協力金の負担付兼譲渡権利付建物賃貸借契約の締結方法

 新築の店舗ビルについて、貸主・借主双方の投下資本の回収の便を図るため、建設協力金の負担付兼譲渡権利付の建物賃貸借契約を締結したいが、どのような方法で契約を締結したらよいか。

事実関係
 入居者募集(賃貸の媒介)を含めた新築店舗の経営コンサルを行うが、オーナー側の投下資本の回収と入居者側の投下資本の回収の利便を図るため、貸主が、入居者から敷金のほかに、一定の保証金(建設協力金)と権利金を受領することにより、借主の地位を第三者に譲渡することができる旨のいわゆる譲渡権利付きの建物賃貸借契約を締結しようと考えている。
 
質問
このような方法を採用した場合
1.   貸主は借主に対し、敷金のほか、保証金と権利金の両方を支払わせ、かつ、保証金については5年の据え置き期間を設けたうえで、5年分割による返済方法をとることになるが、業法上問題になるようなことはないか。
2.  本件の建設協力金の負担付兼譲渡権利付の賃貸借契約とするためには、契約書にどのような条項を盛り込めばよいか。
 
回答
 
(1)  質問1.について — 重要事項説明書にその授受の額と目的を記載し、賃貸借契約書にはその額と授受の時期・目的(条件があればそれも含めて)を記載し、それぞれ借主にその趣旨を十分説明し納得のうえで契約を締結するのであれば、業法上特に問題になるようなことはない(業法第35条第1項第7号、第37条第1項第6号)。
 なお、この場合、(賃貸借契約書の定め方にもよるが、)借主が保証金の返済期間満了前に中途解約により建物の明渡しをしても、返還期間満了までは保証金は全額返還されないものと考えられるので、その約定の内容を重要事項説明書等で事前に説明しておかないと、後日トラブルの原因にもなりかねないので、注意が必要である(参考判例:建設協力金900万円、敷金600万円のケースで、建設協力金は10年据置き、11年目から15年目までの間に均等分割返還をする約定の賃貸借で、賃借人は3年目に合意解約のうえで退去をしたが、賃借人からの建設協力金の返済請求を認めなかった事例として、大阪高判昭和62年3月31日金商判例780号30頁)。
 
(2)  質問2.について — 本件の建設協力金の負担付兼譲渡権利付の建物賃貸借とするためには、たとえば、契約書に次のような条項を定めればよいと考えられる。
 
1. 「保証金」に関する条項
「第○条 借主は、貸主に対し、本契約締結と同時に、保証金として金○○○円(1m2当たり金○○○円)を預託する。ただし、保証金には利息は付さない。
2.貸主は、前項の保証金を本契約締結の日から5年間据え置き、6年目から毎年○月末日限り、金○○○円を5回にわたり年賦で借主に償還するものとする。
2. 「権利金」に関する条項
「第○条 借主は、貸主に対し、本契約締結と同時に、権利金として金○○○円を支払う。なお、この権利金は事情のいかんにかかわらず、返還しないものとする。」
3. 「譲渡権利付」の賃貸借である旨の条項
この条項に付記する条文の見出しは、「借主の地位の譲渡」とするのが適当であると考えられる。
「第○条 借主は、○か月以上前に貸主に届け出て、本契約上の借主の地位を第三者に譲渡することができる。ただし、譲渡を受ける者の属性もしくは業種等について、当該店舗ビルの運営上不適当であると貸主が認めた場合には、貸主は、その譲渡を拒絶することができる。
2.前項の拒絶があった場合には、借主はあらためて貸主に譲渡先についての届出をしなければならない。
3.本条の契約上の借主の地位の譲渡には、第○条に定める保証金返還請求権の譲渡を含むものとする。」
 
監修者のコメント
 本件のようなケースでは、何よりも当事者が意図している法律関係を明確にしておくことが肝要であり、質問2.の【回答】のような契約条項の明定が望ましい。
 とくに「保証金」名義で授受された金銭が、いかなる性格のものかは、とくに建物所有者が変った場合に、当事者の利害に大きく影響するので、【回答】のような明確な条項を設けることにより、紛争を未然に防止できる。
 「保証金」は、法律に特別な規定があるわけではなく、建設協力金、権利設定の対価(権利金)、敷金あるいは単なる金銭消費貸借など、多種多様なものがあり、そのいずれであるかが裁判になることも多いので、その法律上の効果を明確にしておくべきである。

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