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賃貸事例 0808-R-0041
短期賃貸借の保護の廃止に伴う競売の場合の新旧対比

 平成15年の民法改正により短期賃貸借の保護の制度が廃止されたが、経過規定により、短期賃貸借が引き続き保護されるケースもあり、競売の場合の新旧の取扱いの差異がわかりにくい。わかりやすく整理したものはないか。

事実関係
平成15年に民法が改正され、施行日である平成16年4月1日から短期賃貸借の保護の制度が廃止された。しかし、一方では、その経過規定(後記【参照条文】参照)により、平成16年3月31日以前から継続している短期賃貸借については、従来どおり保護の制度が適用される。
 
質問
このような引き続き短期賃貸借の保護の制度の適用のある賃貸借と、改正にもとづく新たな短期賃貸借、あるいは長期の賃貸借が競売の場合にどのようになるのかがよくわからない。
これらの問題をわかりやすく整理したものが欲しい。
 
回答
上記について、ポイントを整理したうえ、問題点を一覧表にし、特に競売になった場合の短期賃貸借の保護の実際を図解すると、次のようになる。
 
平成15年の民法改正の内容と短期賃貸借の関係
 
1.改正のポイント
(1) 改正民法の施行日 平成16年4月1日
(2) 平成16年4月1日
以降の賃貸借
抵当権の登記に後れる賃貸借は、すべて一律に6か月間の明渡し猶予の規定の適用を受ける(改正民法第395条)。
(3) 平成16年3月31日
以前の賃貸借
抵当権の登記に後れる短期賃貸借以外の賃貸借は、すべて一律に6か月間の明渡し猶予の規定の適用を受けるが、短期の賃貸借については、従前どおり短期賃貸借の保護の規定の適用を受ける(改正民法附則第5条)。
 
2.改正内容と短期賃貸借の関係
平成16年3月31日以前の契約 平成16年4月1日以降の契約
抵当権の登記より
前の賃貸借
借主は、抵当権者・買受人に賃借権を対抗できる。 借主は、抵当権者・買受人に賃借権を対抗できる。
抵当権の登記より
後の賃貸借
借主は、短期賃貸借以外の賃貸借の場合には6か月間の明渡し猶予の規定の適用を受けるが、短期賃貸借の場合には、従来どおり、保護の規定の適用を受ける(改正民法附則第5条)。 借主は、すべて一律に6か月間の明渡し猶予の規定の適用を受ける。
 
3.図解−短期賃貸借の保護の実際
(注1)  競売開始決定後の更新は、抵当権者・買受人に対抗できない。したがって、買受人に所有権が移転したこの時点で賃貸借は終了となる。
(注2)  競売開始決定前の短期賃貸借は、その期間内は保護されるが、競売開始決定後の更新は、抵当権者・買受人に対抗できない。したがって、期間が満了したこの時点で賃貸借は終了となる。
 
参照条文
  ○ 民法附則(平成15年8月1日法律第134号)第5条(短期賃貸借に関する経過措置)
 この法律の施行の際現に存する抵当不動産の賃貸借(この法律の施行後に更新されたものを含む。)のうち民法第602条に定める期間を超えないものであって当該抵当不動産の抵当権の登記後に対抗要件を備えたものに対する抵当権の効力については、なお従前の例による。
 
監修者のコメント
 競売による抵当権と建物賃借権の対抗問題については、その賃借権が平成16年3月31日までに対抗要件(賃借権の登記か、又は賃借目的物の引渡し)を先に備えたかどうかで異なるので、その賃借権がいつ設定されたのかについて、まず確認することが必要である。

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