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賃貸事例 0804-R-0032
期間が3年を超える建物賃貸借の場合の民法第395条の適用の有無

 当社の管理物件の中には、平成16年の民法改正の施行日前から管理している賃貸物件があり、その中には、賃貸借の期間が3年を超えるものがある。このような物件についても、民法第395条の「引渡し猶予」の規定の適用があるのか。施行日後に締結した期間が3年を超える建物賃貸借の場合はどうか。

事実関係
 当社は、建物賃貸借の媒介と管理を主業務とする業者であるが、当社には、平成16年の民法改正の施行日前から管理している物件があり、その中に、賃貸借の期間が3年を超える店舗がある。
 この店舗には、契約締結前にすでに抵当権が設定されていたので、そのことは、契約締結時に重要事項として借主に説明はしているのだが、最近になって借主(店舗の経営者)から、「もし、この店舗が競売されたら、店舗の経営はどうなるのか」という質問がなされた。
 
質問
1.  このような物件の場合、民法第395条の「引渡し猶予」の規定は、適用されるのか。店舗の場合も、同じか。
2.  もし、この3年を超える建物賃貸借契約が、民法改正施行日後になされたものであった場合には、どうなるのか。
3.  もし、この期間3年を超える契約が、法定更新され、期間の定めがない契約になった場合には、どうなるのか。
 
回答
1.結 論
(1)  質問1.について — 適用される。店舗の場合でも、同じである。
(2)  質問2.について — 適用される。
(3)  質問3.について — 適用があるものと解される。
 
2.理由
(1)について
   改正民法第395条は、本条の適用のある建物賃貸借の目的物について、居住用とか、店舗用とかの区分けをしていないので、当然店舗についても適用される。
(2)について
   改正民法は、本条の適用について、施行日の前後によって適用の有無を区分するというような規定(経過規定)を設けていないので、施行日の前後を問わず、適用される。
(3)について
   改正民法は、本条の規定について、(改正前の短期賃貸借の保護の規定のように)その賃貸借の期間の長短によって区分けをしたり、また、期間の定めの有無についても、何らの規定を置いていないので、当初の賃貸借契約が法定更新され、期間の定めがないものとなっても、適用があると解される。
 
参照条文
  ○  民法第395条(抵当建物使用者の引渡しの猶予)
(1)  抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって次に掲げるもの(中略)は、その建物の競売における買受人の買受けの時か(注)ら6ヵ月を経過するまでは、その建物を買受人に引渡すことを要しない。
競売手続の開始前から使用または収益をする者
強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後にした賃貸借により使用又は収益をする者
  (注) 「競売における買受人の買受けの時」とは、買受人が競落代金の全額の支払いを完了した時のことをいう。
 
監修者のコメント
 平成16年4月1日施行の民法改正により、従来の「短期賃貸借の保護」が廃止されたが、それに伴い、一定限度における賃借人保護の必要性から競売された場合の引渡し(明渡し)猶予期間の規定が設けられた。
 同条(395条)の適用関係は、正当な賃借人であれば、すべて【回答】のとおり適用される
 なお、言うまでもないが、抵当権設定より前に締結された賃借権、厳密に言えば、抵当権設定登記より前に入居などの対抗要件を備えた賃借権者は、競売の買受人に対抗できるのは当然であるから、競売による明渡しなどは問題とならない。

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