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売買事例 1510-B-0203
市街化調整区域内の既存住宅解体後の更地売買の可否等

 市街化調整区域内の戸建住宅の売買の媒介をするが、売主は、建物を解体し更地で売ってもよいと言っている。そのような売り方をした場合、買主は建築確認が取得できるか。その場合の建ぺい率・容積率等はどうなるか。また、開発許可が必要になるか。

事実関係

 当社は、このたび市街化調整区域内の戸建住宅の所有者から、その売却依頼を受けた。しかし、当社は市街地の営業が多いため、どういう売り方をしたらよいのかがよくわからない。売主は、建物が古いので、更地にして土地だけの売買にしてもよいと言っているが、果たしてそのようなことができるのか、開発許可が新たに必要になるのか等、わからないことが多い。

質 問

1.  市街化調整区域内の既存住宅を取り壊し、更地にしたうえで第三者に売却した場合、買主は建築確認が取得できるか。その場合の建ぺい率。容積率等はどうなるか。
2.  既存住宅を取り壊し更地にした場合、建物を建築するには、開発行為の許可が必要になるか。
3.  市街化調整区域内であっても、ドライブインやガソリンスタンドはほとんど建てることができると聞くが、本当か。

回 答

 質問1.について ― たとえば、その住宅が、市街化区域に隣近接する集落の区域指定に関する条例によって指定された区域内の土地に建っているとか(都市計画法第34条第11号)、市街化を促進するおそれがないなどの要件を満たす開発行為として、その市街化調整区域適合開発に関する条例によって区域・目的・建築用途が定められている場合(同法同条第12号)、あるいは開発審査会の議を経て特別に許可された土地上に建っている場合(同法同条第14号)など、同法第34条各号の規定によって適法に建築され、かつ、買主が当該各号の適用要件を満たしている者であれば、更地で売買をしても、買主は建築確認を取得することができる。この場合の建ぺい率・容積率等は都道府県知事が定めることになる(同法第41条第1項。市町村長への権限委譲(地方自治法第252条の17の2)。
 なお、ちなみに同法第34条第14号の規定に該当し、通常原則として許可して差し支えないものと考えられる開発行為としては、次のような建築物等の用に供する開発行為がある。
 ただし、都道府県及び指定都市の開発審査会により基準の異なるものがあり、調査・確認が必要である。
 分家に伴う住宅等
 収用対象事業の施行による代替物件としての従前とほぼ同一の用途、規模及び構造で建築される建築物
 土地区画整理事業が施行された土地の区域内の建築物
 独立して一体的な日常生活圏を構成していると認められる大規模な既存集落であって、当該都市計画区域に係る市街化区域における建築物の連たん状況とほぼ同程度にある集落において建築することがやむを得ないものと認められる次に掲げる建築物
(イ)  自己用住宅
(ロ)  分家住宅
(ハ)  小規模な工場等(原則として、当該指定既存集落に、当該区域区分に関する都市計画が決定され又は当該都市計画を変更して市街化調整区域が拡張される前から生活の本拠を有する者が設置するものに限る。)
 既存建築物の建替
 老人福祉法第29条第1項に規定する有料老人ホームのうち、設置及び運営が国の定める基準等に適合する優良なものであって、その立地がやむを得ないと認められるもの
 特定流通業務施設
 介護老人保健施設
 社会福祉施設
 医療施設
 学校関係
 質問2.について ― 建物を建築する際に、宅地の造成をしたり、新たに道路を取り付けて区画の変更などをしない限り、開発行為にはならないので(都市計画法第4条第12項)、単に既存の宅地の上に建物を建築するのであれば、開発許可は必要ない。
 質問3.について ― ほとんど建てることができるかどうかは定かでないが、許可され得るものとして都市計画法施行令に規定されているものの中に、道路の円滑な交通を確保するための「休憩所」と「給油所」があるのは事実である(同法施行令第29条の7第1号)。

参照条文

 都市計画法第34条(開発許可の基準)
 前条の規定にかかわらず、市街化調整区域に係る開発行為(主として第二種特定工作物の建設の用に供する目的で行う開発行為を除く。)については、当該申請に係る開発行為及びその申請の手続が同条に定める要件に該当するほか、当該申請に係る開発行為が次の各号のいずれかに該当すると認める場合でなければ、都道府県知事は、開発許可をしてはならない。
~八  (略)
 前各号に規定する建築物又は第一種特定工作物のほか、市街化区域内において建築し、又は建設することが困難又は不適当なものとして政令で定める建築物又は第一種特定工作物の建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為
 (略)
一 市街化区域に隣接し、又は近接し、かつ、自然的社会的諸条件から市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域であつておおむね50以上の建築物(市街化区域内に存するものを含む。)が連たんしている地域のうち、政令で定める基準に従い、都道府県(指定都市等又は事務処理市町村の区域内にあつては、当該指定都市等又は事務処理市町村。以下この号及び次号において同じ。)の条例で指定する土地の区域内において行う開発行為で、予定建築物等の用途が、開発区域及びその周辺の地域における環境の保全上支障があると認められる用途として都道府県の条例で定めるものに該当しないもの
二 開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがないと認められ、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認められる開発行為として、政令で定める基準に従い、都道府県の条例で区域、目的又は予定建築物等の用途を限り定められたもの
三 (略)
四 前各号に掲げるもののほか、都道府県知事が開発審査会の議を経て、開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがなく、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認める開発行為
 同法第41条(建築物の建ぺい率等の指定)
 都道府県知事は、用途地域の定められていない土地の区域における開発行為について開発許可をする場合において必要があると認めるときは、当該開発区域内の土地について、建築物の建ぺい率、建築物の高さ、壁面の位置その他建築物の敷地、構造及び設備に関する制限を定めることができる。
  (略)
 同法施行令第29条の7(市街化区域内において建築し、又は建設することが困難又は不適当な建築物等)
 法第34条第9号(法第35条の2第4項において準用する場合を含む。)の政令で定める建築物又は第一種特定工作物は、次に掲げるものとする。
 道路の円滑な交通を確保するために適切な位置に設けられる道路管理施設、休憩所又は給油所等である建築物又は第一種特定工作物
 火薬類取締法第2条第1項の火薬類の製造所である建築物

監修者のコメント

 市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域であるため、原則として建築物の建築は認められないが(都市計画法34条、43条)、一定の要件に該当するものは都道府県知事等が建築を許容する場合がある。
 本ケースのような場合、建っている住宅が何を根拠に建築できたのかを、役所の担当部署に赴いて調べることが肝要である。現在、建っているからといって、更地にしたあと当然に建てられるとは限らない。調整区域における開発許可や建築許可の基準は多くの地方公共団体において条例や基準を定めているからである。

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