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ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
掲載されている回答は、あくまでも個別の相談内容に即したものであることをご了承のうえご参照ください。
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また、参照条文は、事例掲載日現在の法令に依っています。

賃貸事例 0707-R-0013
旧借地法時代の「期限付借地」

旧借地法時代に、期間20年の「期限付借地」で土地を貸し、その後は「2年更新」の契約に切り替えたが、その後の期間満了に際し建物を解体した場合、借地権は消滅するか。

事実関係
  当社は媒介業者であるが、ある地主が22年前に、知人の会社経営者に期間20年の「期限付借地」という条件で土地を貸し、2年前に期間20年の期限が到来したので、その後は「2年更新」の契約に切り替え、今日に至っている。
 借主は、当初よりその土地を工場とその工場の従業員宿舎として使用していたが、このたびの経営規模の縮小により、宿舎の一部を取り壊し、その敷地部分を「更地」にしたうえで、地主に返還する。
 
質問
 
1. 地主は、「本件の借地は期間20年の期限付であり、旧借地法第2条第2項の規定により、すでに借地権は消滅している。そして、その後の2年間の借地権についても、借主が建物を解体すれば借地権が消滅するので、その「更地」になった土地を売却して欲しい」と言ってきているが、本当に建物を解体すれば借地権が消滅するのか。
1. 借地権が消滅しないとした場合、どのようにすれば売却が可能か。
 
回答
 
1.結論
(1) 質問1.について
建物を解体しても、借地権は消滅しない。
(2) 質問2.について
地主と借地人との間で、当該「更地」(予定地)部分についての賃貸借契約を「合意解約」すれば、売却が可能となる。しかし、その前に、契約当事者双方に対し、円満な合意解約ができるよう適切なアドバイスが必要になる。
2.理由
 旧借地法時代には期限付借地(定期借地)という制度はなく、また、本件の賃貸借が期間20年の一時使用目的の賃貸借(旧借地法第9条)とも考えられないので、この土地は現時点においても、賃貸借の期間が更新から20年の借地権付の土地であると考えられる(借地借家法附則第4条・第6条、旧借地法第2条第2項・第4条・第5条第1項・第11条)。
 したがって、この土地を売却するには、建物を解体しても借地権は消滅しないので(旧借地法第4条、第5条、第11条)、まず地主と借地人との間で、当該「更地」(予定地)部分の土地についての賃貸借契約を合意解約し、借地権の対象からはずしたうえで、売却活動に入ることが必要となる。そして、もしその過程で、借地人が借地権を消滅させるために、地主に建物解体費などの対価を要求するということになると、地主の方はおそらく予想していなかった事態が発生したということで、先に建物の解体と土地の明渡しを要求したりするということも考えられる。しかし、もしそうだとすると、合意解約が円滑に進まないことも考えられるので、そのようなことがないように、媒介業者としても、事前に旧借地法第2条第2項と第4条、第5条、第11条の関係、あるいは旧借地法と借地借家法との関係をアドバイスしながら、双方が納得するかたちで合意解約の方向に誘導していくことが必要になる。
(注) この「誘導」にあたっては、契約当時のいきさつや2年更新をした際の経緯なども踏まえ、事前に弁護士等の専門家に相談しながら対応するのが望ましい。
 
参照条文
 
○ 旧借地法第4条(更新の請求等)
借地権消滅ノ場合ニ於テ借地権者カ契約ノ更新ヲ請求シタルトキハ建物アル場合ニ限リ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス(以下(略))
○ 同法第5条第1項(合意による契約更新)
当事者カ契約ヲ更新スル場合ニ於テハ借地権ノ存続期間ハ更新ノ時ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年トス(以下(略))
○ 同法第11条(強行規定)
第2条、第4条乃至第8条ノ2(中略)及前条ノ規定ニ反スル契約条件ニシテ借地権者ニ不利ナルモノハ之ヲ定メサルモノト看做ス
○ 借地借家法附則第6条(借地契約の更新に関する経過措置)
この法律の施行前に設定された借地権に係る契約の更新に関しては、なお従前の例による。
 
監修者のコメント
 【回答】のように、旧借地法において定期借地という制度はないので、20年の契約期間が満了しても、その後の土地の使用を継続している以上、法定更新されている。その後の「2年更新」という合意自体、有効ではない。

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