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売買事例 0810-B-0082
個人間売買で瑕疵担保責任を一部免除するひな型契約書を使うことの是非

 ある不動産会社では、媒介用の個人間売買のひな型契約書に、売主の瑕疵担保責任を一部免除する条項を設けている。このような売主に有利な売買契約書を用いて媒介しても、業法上問題となることはないか。

事実関係
 ある不動産会社で使っている媒介用の個人間取引の売買契約書では、売主の瑕疵担保責任に関する特約が、土地については責任を負わず、建物についてのみ負うことになっている。そして、その建物についても、売主が責任を負うのは本体についての特定の部位だけで、付帯設備(給湯設備など)については現状有姿ということで、一切責任を負わないものとしている。
質問
 このような売主に有利な特約を定めているひな型契約書を使って媒介行為を行っても、業法上問題になるようなことはないか。
回答
 
1. 結論
 契約の当事者(特に「買主」)が、契約書の内容を十分理解し、納得したうえで契約を締結するのであれば、業法上特に問題になるようなことはない。
 しかし、媒介業者の物件についての説明や特約に関する説明が不十分であったり、媒介業者が当事者の意思を無視して、会社の所定の契約書だからといって、特約の内容を強要するようなことでもあれば、当然問題となりうる。したがって、媒介業者としては、このような特約はあくまでも当事者の自由な意思に基づいて定められるのだということを十分認識したうえで、中立公正な立場で媒介活動を行う必要があろう。
 
2. 理由
 売主の瑕疵担保責任に関する民法の規定(第570条、第566条)は、任意規定とされているので、これらの規定と異なる特約をすることは当事者の自由である(契約自由の原則)。

 しかし、いかに特約が有効であったとしても、売主が「知りながら告げなかった事実」については、売主は責任を免れることはできない(民法第572条)し、また、媒介業者においても、説明の内容と実際の状況が違っていたり、調査が不十分だったために、通常の注意をすれば発見できたような瑕疵を発見できなかったような場合には、媒介契約上の債務不履行あるいは不法行為として、買主に対し損害賠償の責任を負うことになる(民法第415条、第709条)。したがって、いかに会社所定の契約書であるとか、売主からの要望があるとかいっても、公平な媒介を旨とすべき媒介業者が、買主の立場を無視して媒介業務を行っていいわけはなく、少なくとも、【回答】の結論で述べたように中立公正な立場で媒介業務を行うとともに、不動産取引の専門家としての注意義務を果たすよう最大限の努力をすべきである。
 
参照条文
  民法第570条(売主の瑕疵担保責任)
 
 売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定(地上権等がある場合等における売主の担保責任に関する規定)を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。
 
民法第572条(担保責任を負わない特約)
 売主は、第560条から前条までの規定による担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。

 
民法第415条(債務不履行による損害賠償)
 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。
 
民法第709条(不法行為による損害賠償)
 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
 
監修者のコメント
 瑕疵担保責任に関する民法の規定は、当事者間の合意で変更・修正ができる「任意規定」であるが、宅建業者が売主で、宅建業者でない者が買主となる売買では、宅建業法(第40条)により、質問のような特約を自由にすることはできない。しかし、売主が宅建業者でない以上、宅建業者が媒介・代理をする場合でも上記の宅建業法の適用がないので、瑕疵担保責任の内容を自由に取り決めることができ、いかに売主に有利な売買契約の条項でも、宅建業法上、問題となることはない。ただ、媒介業者として、買主にその内容を十分に理解したうえで契約を締結してもらうという配慮が必要で、買主への説明に意を用いることが必要である。
 なお、売主が会社のような法人で、買主が消費者の場合は、消費者契約法により、売主である事業者の瑕疵担保による損害賠償責任が全部免除されるという条項を合意したとしても、同法により無効である。

より詳しく学ぶための関連リンク

“スコア”テキスト丸ごと公開! 「瑕疵担保責任(瑕疵担保責任の期間と内容)」

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