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売買事例 0808-B-0077
「第三者のためにする契約」方式で行う買取り仲介の方法

 平成16年の不動産登記法の改正により、中間省略登記ができなくなったため、従来できた「買取り仲介(買取り転売)」が簡単にできなくなった。ついては、どのような契約書をつくれば、「買取り仲介」ができるようになるのか。

事実関係
 平成16年の不動産登記法の改正により、中間省略登記ができなくなったので、いわゆる「買取り仲介(買取り転売)」を行う場合に、従来の中間省略登記方式から、「第三者のためにする契約」方式か「買主の地位の譲渡」方式にしなければならなくなった。

 しかし、登記の申請についての書類(登記原因証明情報)については、いくつかのひな型が法務省からの回答というかたちで公表されているが、売買契約書のひな型については公表されていない。
質問
1.  従来からの売買契約書には、次のような条項が定められているが、この条項は、新しい不動産登記法に対応した「第三者のためにする契約」方式の条項として使うことはできないのか。
 「売主は、売買代金全額の受領と同時に、買主または買主が指定する者の名義にするために、本物件の所有権移転登記の申請手続きをしなければならない。」
2.  もし、できないとした場合、どのような条項を盛り込めばよいのか。
回答
 
1. 結論
(1)   質問1.について — できない。なぜならば、この条項では、売主が売買代金の全額を受領した段階で、所有権が買主(すなわち買取り仲介人=転売人)に移転してしまうからである。つまり、この条項は、従来の中間省略登記方式のものであり、「第三者のためにする契約」方式、すなわち受益者(転買人)への直接移転方式にはならないからである。
(2)  質問2.について — 後記表示の法務省回答による「登記原因証明情報」とリンクさせたものであれば、たとえば、次のような条項を盛り込めばよいと考えられる。
  (「第三者のためにする契約」方式で行う場合の最初の買取りのための売買契約書への挿入条項(特約条項))
(1)  「買主は、売買代金全額の支払までに本件不動産の所有権の移転先となる者(買主を含む。)を指名するものとし、売主は、本件不動産の所有権を買主の指定する者に対し、買主の指定および売買代金全額の支払いを条件として直接移転するものとする。」

(2)  「買主は、売買代金全額の支払いまでに、所有権の移転先に指定した者から売主に対し受益の意思表示をさせるものとする。ただし、売主は、買主からの申し出があった場合には、その受益の意思表示の受領権限を買主に与えるものとする。」
(3)  「売主または買主が前項の受益の意思表示を受けたときは、売主は、買主がその者に対して負う所有権移転の債務を履行するために、その者に対し直接所有権を移転するものとする。」
 
(「第三者のためにする契約」方式で行う場合の転売時の売買契約書への挿入条項(特約条項))
 「本件不動産の所有権は、現在の登記名義人が所有しているので、本件不動産の所有権を移転する売主の義務については、売主が売買代金全額を受領した時に、その履行を引き受けた本件不動産の登記名義人である所有者が、買主に対しその所有権を直接移転する方法で履行するものとする。」
 
(「第三者のためにする契約」方式で行う場合の「登記原因証明情報」の内容変更)
 前述した法務省回答による「登記原因証明情報」(後記【参照資料】参照)の内容は、当然のことながら、買主が所有権を取得することを前提としていないため、同様式5(登記の原因となる事実又は法律行為)の(2)に記載されている文言を次のように変更しないと、転売時の売買が宅地建物取引業法第33条の2に定められている「他人物売買」の原則禁止規定に抵触するおそれがある(この点について、国土交通省は、同法施行規則第15条の6に第4号を追加し、宅地建物取引業者が買主(転売人)となる取引にあって、当該宅地建物取引業者が指定する者に所有権を移転する特約をしている場合には、この禁止規定の適用を除外することとした)。
  
 「(1)の売買契約には、「乙は、売買代金全額の支払いまでに本件不動産の所有権の移転先となる者を指名するものとし、甲は、本件不動産の所有権を乙の指定する者(乙を含む。)に対し乙の指定及び売買代金全額の支払いを条件として直接移転するものとする。」旨の所有権の移転先及び移転時期に関する特約が付されている。」
 
参照資料
  ○「第三者のためにする契約」方式による登記原因証明情報
  登記原因証明情報
 
監修者のコメント
 
平成18年12月22日付の法務省の照会回答により、中間省略登記が復活したとか、できることとなったという誤解が一部に見受けられたが、明らかに誤りである。甲→乙→丙の中間者乙に所有権が一旦移る以上、甲から丙への直接の移転登記は絶対にできない。本件【質問】に対する売買契約書への特約条項の内容は、【回答】のとおりとすればもちろん問題ないが、従来からの契約書のヒナ型を使用する場合、この特約条項の内容と矛盾する条項がないよう、くれぐれも注意して頂きたい。

 なお、所有権が甲→乙→丙と移転する、従来から普通に行われている契約を行った場合において、「法務省回答〔本件【参照資料】〕と同じ登記原因証明情報とすれば、甲→丙への直接の登記ができるか」などという質問を受けることがあるが、これは「虚偽の申請ができるか」という質問をしているのと同じである。

より詳しく学ぶための関連リンク

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