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売買事例 0711-B-0044
農地法5条の「条件付仮登記」を有する宅建業者の農地の転売

農地法第5条の「条件付仮登記」を有する宅建業者が、その農地を現状のまま、一般の消費者に転売することができるか。

事実関係
 当社はデベロッパーであるが、用地の買収に伴う事業地の取りまとめにあたり、過去に買収した農地の一部を他の農家等に売却したり、他の農地等と交換したりすることがある。
 
質問
 過去に買収した農地は、現在、農地法第5条の都道府県知事の許可を条件とした所有権移転請求権保全の仮登記(いわゆる「2号仮登記」)を付けたまま、農地の所有者がそのまま耕作を続けているが、この仮登記の付いた農地を現状のまま、一般の消費者に売却することはできるか。その場合の問題点は何か。
 
回答
 
1. 結論
 現状のまま、一般の消費者に売却する場合の問題点は、貴社(業者)の行う農地の所有権取得前(都道府県知事の許可前)の売買が、宅建建物取引業法第33条の2の他人物売買の制限規定に抵触する点である。したがって、その譲渡の形態を不動産売買のかたちにならないようにして行えば、法的に可能となる。そしてその場合の方法として、最高裁は「買主の地位の譲渡」という方法で行うことを認めている(最判昭和46年6月11日判時652号120頁。3条許可の事案につき、最判昭和38年9月3日民集17巻8号885号)。
 なお、現在農地の所有者が耕作を続けている点については、残代金の支払または農地法第5条の許可申請と引き換えに終了させることで、法的には、特に問題とはならないと考えられる。
2. 理由
 今回の仮登記の付いた農地の売買が、通常の「農地の転売」である場合には、正に農地の「他人物売買」となり、その所有権取得前(都道府県知事の許可前)の売買は、宅地建物取引業法第33条の2の規定に抵触することとなり、また、その結果として最初の売主から転買人への直接所有権移転を求める5条許可の申請を行ったとしても、もともと両当事者には農地の売買契約が存在しないので、受理されないからである。このことは、最初の売買の段階で、「買主が転売した場合には、売主と転買人との間で許可申請を行う」という特約を定めていたとしても、同様である(最判昭和38年11月12日民集17巻11号545頁、昭和46年4月6日判時630号60頁)。
 
参照条文
 
○  宅地建物取引業法第33条の2(自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限)
 宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物について、自ら売主となる売買契約(予約を含む。)を締結してはならない。ただし、次の各号の一に該当する場合は、この限りでない。
(1) 宅地建物取引業者が当該宅地又は建物を取得する契約(予約を含み、その効力の発生が条件に係るものを除く。)を締結しているときその他宅地建物取引業者が当該宅地又は建物を取得できることが明らかな場合で国土交通省令で定めるとき。
(2) (略)
○  農地法第5条(農地又は採草放牧地の転用のための権利移動の制限)
 農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(中略)にするため、これらの土地について第3条第1項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が都道府県知事の許可(中略)を受けなければならない。(以下、略)
 
監修者のコメント
 宅建業者が、土地所有者からその宅地を取得する契約を締結しているときは、自己の所有に属しない場合でも、業法第33条の2の適用除外とされている(同条第1項但書第1号)。しかし、その取得契約が、停止条件付の場合は適用除外とされない(同号かっこ書)。農地法第3条、第5条の許可は、法定条件で典型的な停止条件であるので、質問の売買の可否は【回答】のとおりである。
 なお、農地でも用途地域内のものは、宅建業法上「宅地」に該当するが、用途地域の指定のない所で、建物の敷地にする目的がないときは、そもそも「宅地」に該当しないので(業法第2条第1号)、宅建業法の問題は生じない。

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