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また、参照条文は、事例掲載日現在の法令に依っています。

売買事例 0711-B-0042
根抵当権の「合意の登記」に関する重要事項説明

根抵当権の「合意の登記」がなされている物件の場合、重要事項説明書の「登記記録に記録された事項」欄にはどこまで記載する必要があるのか。記録の一部を省略しても、業法上問題ないか。

事実関係
 当社は媒介業者であるが、売主から依頼された売却物件の登記記録を見てみると、権利部の乙区に下記のような根抵当権の登記がなされており、その登記欄に付記登記が2件なされている。1件は「相続」の登記で、もう1件は「合意」の登記である。そして、その合意の登記欄には相続人のうちの1人が「指定債務者」として登記されている。
〔権利部(乙区)〕(所有権以外の権利に関する事項)
〔順位番号〕 〔登記の目的〕 〔受付〕 〔原因〕 〔権利者その他の事項〕
1
付記1号
付記2号
根抵当権設定 平成○年○月○日
第○○号
平成○年○月○日
設定
(前略) 債務者
○市○町○番 ○号
甲野 一郎

根抵当権者 
○市○町 ○番○号

乙銀行
1番根抵当権変更 平成○年○月○日
第○○号
平成○年○月○日
相続
債務者
○市○町○番 ○号
甲野 花子
○市○町○番 ○号
甲野 二郎
1番根抵当権変更 平成○年○月○日
第○○号
平成○年○月○日
合意
指定債務者
○市○町 ○番○号
 
質問
1.  そもそも、この「合意の登記」というのは、どのような登記なのか。
2.  このような登記がなされている場合、重要事項説明書の「登記記録に記録された事項」欄には、根抵当権についての乙区すべての記録を記載しなければならないか。最初の「設定の登記」と最後の「合意の登記」だけを記載した場合、業法上問題になるか。
 
回答
 
1.  結論
(1)  質問1.について
 「合意の登記」というのは、元本の確定前に根抵当権者または債務者について相続が開始した場合に、関係者が従来どおり根抵当取引を継続させるために、前者の場合には、相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続開始後に取得する債権も担保させるため、後者の場合には、根抵当権者と根抵当権設定者との合意により定めた相続人(指定債務者)が相続開始後に負担する債務も担保させるため、それぞれ相続開始後6か月以内に行う登記のことである(民法第398条の8、不動産登記法第92条)。
(2)  質問2.について
 本件の登記においては、最初の「設定登記」の部分と付記2号の「合意の登記」の部分だけを記載して説明したとしても、業法上特に問題になることはないと考えられる。
2.  理由
(1)  について
(略)
(2)  について
 本件の付記2号の「合意の登記」は、債務者について相続が開始した場合に行われる債務者変更の登記(「指定債務者」の登記)であるから、付記1号の「相続」の登記が重要事項説明書に記載されていなくても、債務者に相続が開始したことは、十分説明することができるからである。
 このように、通常の登記においては、その主要な登記事項が重要事項説明書に記載されていれば、その記載内容いかんで業法上問題とされることは原則としてないが、登記事項が重要な事項であることには変わりはなく、そのすべてを記載することが望ましいことは言うまでもない。ただ、そのために、かえって説明が困難になったり、わかりにくくなるような場合には、適宜記載を簡略化し、その代わりに、登記事項証明書の写しを重要事項説明書に添付する等の方法をとることは何ら差し支えない。要は、重要事項説明においては、登記されている事項の内容とそのリスクを買主にわかりやすく説明をし、正しく理解をしてもらうことが最も重要なことなのである。
 
参照条文
 
○  民法第398条の8(根抵当権者又は債務者の相続)
(1)  元本の確定前に根抵当権者について相続が開始したときは、根抵当権は、相続開始の時に存する債権のほか、相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続開始後に取得する債権を担保する。
(2)  元本の確定前にその債務者について相続が開始したときは、根抵当権は、相続開始の時に存する債務のほか、根抵当権者と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続開始後に負担する債務を担保する。
(3) (略)
(4)  第1項及び第2項の合意について相続の開始後6か月以内に登記をしないときは、担保すべき元本は、相続開始の時に確定したものとみなす。
○  不動産登記法第92条(根抵当権当事者の相続に関する合意の登記の制限)
 民法第398条の8第1項又は第2項の合意の登記は、当該相続による根抵当権の移転又は債務者の変更の登記をした後でなければ、することができない。
 
監修者のコメント
 宅建業法の重要事項説明は、買主・借主等が契約締結後に、「そのようなこととは知らなかった」という事態を防止し、不測の損害を被らないようにするのが、その趣旨・目的である。
 したがって、その一内容である「登記記録に記録された事項」も、現在、その存在の効力があるもの、いわば生きているものを記載すれば足りる。それゆえ、乙区事項欄における、すでに抹消された過去の権利をすべて説明しなければならないわけではない。
 本ケースの場合も、付記1号が付記2号に変更され、現在、生きているのは付記2号の内容であるから、【回答】のとおりで業法上さしつかえないと解される。

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