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売買事例 0710-B-0039
「ローン特約」でトラブルが少ない定め方

定型の「解除権留保型」のローン特約は、ローンが否認された場合の解除通知について「言った、言わない」のトラブルが発生しやすいので、トラブルが発生しないような特約の仕方はないか。

事実関係
 当社は媒介業者であるが、当社の定型の売買契約書には、いわゆる「解除権留保型」のローン特約が定められているため、ローンが否認された場合の契約解除の通知について「言った、言わない」「聞いている、聞いていない」といったトラブルになることが多く、特に契約解除期限を設けた場合には、そのゴタゴタのために契約解除期限を徒過したということで、違約金の請求問題にまで発展することがある。
質問
 この「ローン特約」について、このようなトラブルを回避するためには、定型契約書をどのように変えたらよいか。
回答
 
1.  結論
 いわゆる条件型(「解除条件型」か「停止条件型」)のものに変えればよい(後出:【参考資料】参照)。
 しかし、本件のような問題は、契約書を変えるというよりも、契約解除の通知の仕方を変えるだけで解決する問題である。
2.  理由
 「解除権留保型」の特約による契約解除の方法は、解除権をもつ買主が、売主に対し解除の意思表示をすることにより行う(民法第540条)。したがって、買主が金融機関から融資の否認の通知を受けたことを媒介業者に伝えただけでは、解除の効果は生じないのである。
 ところが、実際の媒介業務においては、その媒介業者への連絡をもって解除の意思表示をしたと思っている買主も少なくないし、その連絡を受けた媒介業者の方も、それを売主側の媒介業者に伝えるだけで、(自動的に)解除の効果が生じるものと思っている業者もないとはいえない。したがって、そのような方法では、必ずしも買主から売主に対して解除の意思表示がなされたということにはならないために、契約の存否が曖昧なまま、契約解除期限が徒過してしまうということもありうるのである。
 つまり、媒介の実務においては、それまでの商談を媒介業者を通じて行うために、契約解除の意思表示についても、媒介業者を通じて行うというところにその原因があるのである。
 したがって、本件のようなトラブルを回避するためには、契約解除の意思表示だけは、買主から直接売主に対し、内容証明郵便等の確実な方法により行っていただくということを徹底することと、ローンを利用する買主には、あらかじめ重要事項説明等の段階で、解除権を行使する場合の方法について十分説明をしておくということであろう。
 
参考資料
 
○  「解除条件型」のローン特約
 条件が成就(ローンの否認)した時に、当然に売買契約の効力が消滅するという内容を定めた特約(民法第127条第2項型特約)
○  「停止条件型」のローン特約
 条件が成就(ローンの承認)した時に、売買契約の効力が生じるという内容を定めた特約(民法第127条第1項型特約)
 
参照条文
 
○  民法第540条(解除権の行使)
(1)  契約又は法律の規定により当事者の一方が解除権を有するときは、その解除は、相手方に対する意思表示によってする。
(2)  前項の意思表示は、撤回することができない。
 
監修者のコメント
 ローン特約については、いろいろなタイプのトラブルがある。本件の【質問】のようなタイプのほかに、その特約の文言が「解除権留保型」なのか「解除条件型」なのか曖昧なものや、一つの契約書の中のローン条項に「○月○日までにローンの全部又は一部が承認されなかった場合は買主は本契約を解除できる」としつつ、契約書の最後あたりの条項に「本契約は、買主がローンの全部又は一部の承認を得られなかった場合は、効力を生じない」などと矛盾した内容のものを定めているものすら見受けられる。
 「解除権留保型」として明確なタイプのときに媒介業者として最も注意すべきことは、契約解除期限の管理であって、これを徒過してしまった場合は、多くのケースにおいて違約金の問題になり、買主を深刻な事態に陥らせてしまうということである。

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