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売買事例 0709-B-0037
入居者の立退きを条件とする土地売買契約の方法

古アパートの入居者の立退きを条件に土地売買契約を締結するが、立退きについての合意書を印鑑証明書付きで書面化し、その写しを重要事項説明書に添付し買主に説明することで、媒介業者の行為としては万全か。

事実関係
 当社は媒介業者であるが、古アパート付の土地売買契約の媒介をする。
 現在この古アパートには入居者(賃借人)が2人残っているが、この入居者とは以前にも明渡し問題でもめたので、その後の当事者の話し合いで、入居者に対し、家主(売主)が家賃の6か月分の立退料と引越代の実費を負担し、さらに本件土地売買契約締結後、6か月間無償で明渡しを猶予するという条件で折り合いが付いた。そして、買主との間で、売主が入居者の明渡し期間満了後、直ちに建物の解体工事に着手し、その1か月後に土地を買主に引渡すという合意が成立した。
質問
 土地売買契約の締結にあたり、事前に上記の明渡しに関する約束事を書面にし、かつ、その書面の写しを重要事項説明書に添付して買主に説明すれば、媒介業者の行為としては万全といえるか。
 なお、その明渡しに関する書面については、入居者(賃借人)の印鑑証明書付で実印を押印してもらうことになっている。
回答
 
1.  結論
 必ずしも万全とはいえない。この入居者とは以前にももめたことがあるので、万全というためには、明渡しに関する合意を単なる書面にするのではなく、契約と同時に「即決和解」(注)(訴え提起前の和解=民事訴訟法第275条)の申立てができるようにしておくとか、売買契約そのものを入居者の明渡しを「停止条件」とするものにしておくか、ある段階で所有権移転請求権保全の仮登記が付けられるようにしておく等の慎重さが必要である。
(注)   この即決和解の「調書」に記載された内容は、確定判決と同一の効力を有するものとされる(民事訴訟法第267条)。
2.  理由
 即決和解とは、民事上の争いが訴訟(訴えの提起)という難しい方法をとらずに、簡易裁判所に口頭または書面で申立てができ、裁判所を介した当事者の譲り合いにより解決を図ることができる方法として、民事訴訟法第275条に定められている手続のことである。 そして、この即決和解の最も重要な点は、和解が成立すれば、確定判決と同一の効力を有し、「執行力」(注)を有するということである(民事訴訟法第267条)。
(注)   公正証書の場合にも金銭執行等の一定の場合には執行力があるが、本件のような土地・建物の明渡しの場合には執行力はない(民事執行法第22条)。
 
なお、この即決和解の申立て要件としての「争い」の存在については、過去に争いがあったり、今後争いになるおそれがある場合にも申立てができるなど、要件が緩和されているので、本件のような場合にも十分利用することができる。
 
参照条文
 
○  民事訴訟法第275条(訴え提起前の和解)
(1)   民事上の争いについては、当事者は、請求の趣旨及び原因並びに争いの実情を表示して、相手方の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所に和解の申立てをすることができる。
(2) 〜 (4) (略)
○  民事訴訟法第267条(和解調書等の効力)
固定資産税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の1月1日とする。
○  民事執行法第22条(債務名義)
強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。
一  確定判決
二  仮執行の宣言を付した判決
(略)
仮執行の宣言を付した支払督促
四の二 (略)
金銭の一定の額の支払い又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの(以下「執行証書」という。)
(略)
確定判決と同一の効力を有するもの
 
監修者のコメント
 本件建物の入居者の翻意を考慮すれば、簡易裁判所における「即決和解」により、明渡しのことを明定しておいたほうがよい。即決和解の申立費用は、2,000円である。

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