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売買事例 0709-B-0035
品確法上の瑕疵担保責任の取扱いについての対応

品確法上の瑕疵担保責任とアフターサービス、宅建業法上の瑕疵担保責任との違いは何か。品確法上の瑕疵担保責任を免責、軽減させる方法はあるか。

事実関係
 当社では、今後、年間20〜30棟の建売住宅か、50〜60戸程度の分譲マンションの供給を考えている。 ついては、品確法上の瑕疵担保責任の取扱いについて、社内で意見が分かれているので、この際考え方の整理をしておきたい。
質問
1.   品確法上、瑕疵担保責任を負う期間は、引渡しの日から10年間となっているが、この10年間については、他の部位のアフターサービスと並行して行っていくという体制をとりたい。
  ついては、この品確法上の責任も一種のアフターサービスと考えても、対応としては問題ないか。
2.   売主が業者で買主が非業者の場合の宅建業法上の瑕疵担保責任は、建物のすべての部位について2年間負うので、品確法上の瑕疵担保責任は、残りの8年間について責任を負うと考えればよいか。
3.   品確法上の瑕疵担保責任を免責するケースとして、他の業者にリフォームや修理を依頼し、対象の部位を加工したり、変更した場合を挙げることは可能か。また、対象の各部位に関するものであっても、「軽微なものは除く。」とすることは可能か。
4.   買主が瑕疵の修補等について権利行使をすることができる期間として、民法第566条第3項の「買主が事実を知った時から1年以内」とすることは可能か。また、この期間を3か月程度とすることは、どうか。
5.   前記4.の権利行使の期間内に、買主が瑕疵の修補等を請求しなかった場合、同じ部位について、再度の権利行使はできないと考えてよいか。
回答
 
(1)  質問1. について
 瑕疵を修補する等の対応は同じであっても、アフターサービスと品確法上の瑕疵担保責任とは、拠って立つものが異なるので、違うものであると考えておいた方がよい。
 つまり、アフターサービスは「契約責任」であるが、瑕疵担保責任は「法定責任」であるから、前者の場合は、その責任の内容を当事者(本件の場合は売主)が自由に定めることができるが、後者の場合は、その責任の内容が法定されており(品確法第95条)、また、買主がその権利を行使することのできる期間についても(任意規定ではあるが)、法定されている点が異なる(民法第566条第3項)。
(2)  質問2. について
 宅建業法上の瑕疵担保責任と品確法上の瑕疵担保責任とは、法律上の根拠を異にするものであり、最初の2年間は、両法によって重量的に責任を負うと考えるべきである。なお、その責任についての違いとしては、品確法上の瑕疵担保責任には瑕疵の「修補請求権」が追加されているので、最初の2年間についても、品確法の対象となる部位(注)については、修補請求ができるという点が異なる。
(注)  品確法上、瑕疵担保責任の対象となる部分は、建物の「構造耐力上主要な部分」と「雨水の侵入を防止する部分」に限定されている(同法施行令第5条)。
(3)  質問3. について
 挙げること自体は可能である。ただし、引渡しの時点からあった瑕疵であることが立証されれば、第三者が手を加えたからといって免責されることはない。
 後者については、「軽微」の範囲が不明確なので、「構造耐力または雨水の浸入に影響のないものを除く。」とすべきである(品確法第94条第1項)。
(4)  質問4. について
 いずれも可能である(後出:【参照条文】○品確法第95条(注)書き参照)。ただし、期間を1か月未満とするなど、極端に短い期間を定めた場合には、無効とされる可能性もある。なぜなら、たとえば瑕疵の発見が壁のクラックなどから始まった場合で、偶々買主が長期出張をしたというときに、そのクラックの進行・拡大などの現象と瑕疵の発見との関係で、いつからその事実を知ったのかという事実認定の問題で、判断が分かれることもあるからである。
(5)  質問5. について
 再度の権利行使はできないと考えてよい。
 この権利行使ができる期間は、時効期間ではなく、いわゆる「除斥期間」(権利の存続期間)と一般に解されている。したがって、買主がその期間内に権利を行使しなかったときは、権利が消滅するので、再度の権利行使はできないということになる(後記【参照判例】参照)。
 
参照判例
 
○  最判平成4年10月20日民集46巻7号1129頁(要旨)
(民法第566条の)「本条3項に定める1年の期間制限は、除斥期間であり、民法570条による瑕疵担保責任としての損害賠償請求権を保存するには、裁判上で権利行使する必要はないが、少なくとも、売主に対し、具体的に瑕疵の内容とそれに基づく損害賠償請求をする旨を表明し、請求する損害額の算定の根拠を示すなどして、売主の担保責任を問う意思を明確に告げる必要がある。」
 
参照条文
 
○  民法第566条(民法第570条(売主の瑕疵担保責任)で準用する売主の担保責任)
(1) (2)  (略)
(3)   前2項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から1年以内にしなければならない。
○  品確法第95条(新築住宅の売主の瑕疵担保責任の特例)
(1)   新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(中略)から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分の隠れた瑕疵について、民法第570条において準用する同法第566条第1項(注)(中略)に規定する担保の責任を負う。(以下(略))
(2)   前項の規定に反する特約(注)で買主に不利なものは、無効とする。
(注)   品確法第95条で準用している民法第566条については、その第1項(担保責任の内容)はそのまま準用されているが、買主の権利行使期間(除斥期間)を定めた第3項の規定については、準用もされず、また、特別の規定も置かれていない。したがって、この民法第566条第3項の規定が任意規定であることから、その期間を短縮する特約が一見買主に不利な特約に見えても、質問4. のように、その期間を短縮することも可能になるということである。
 
監修者のコメント
 質問の個別の問題については、【回答】のとおりであるが、それらも法の責任を免責、軽減するという性格のものではない。
宅建業法の瑕疵担保責任の特約の制限(第40条)も品確法の瑕疵担保責任の特例も、強行規定であるから、その法によって要請されている責任を免れる、あるいは軽減させる方法はない。
 また、宅建業法と品確法の対象となる契約および対象部位に、それぞれの法が適用されるのであるから、その対象になる限り、2つの法が重複して適用されるのであり、一方の適用により他方の適用がない期間があるという考えは正しくない。

より詳しく学ぶための関連リンク

“スコア”テキスト丸ごと公開! 「瑕疵担保責任(瑕疵担保責任の期間と内容)」

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