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売買事例 0906-B-0101
金融機関の新築物件の競落物件の売却と品確法の適用

 金融機関が、倒産業者が所有していた竣工後1年未満の戸建住宅を競売で取得した。この金融機関が、その競落物件を一般の消費者に転売したときは、品確法上の10年間の瑕疵担保責任を負うか。引渡しが平成21年10月1日以降になったときは、瑕疵担保履行法の適用を受けるか。

事実関係
 当社は金融機関であるが、当社が融資をしていた不動産業者が倒産したので、その業者が所有していた戸建住宅を競売で取得した。
 登記簿を見ると、この建物は竣工が平成20年5月であるため、まだ住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下「品確法」という。)上の「新築住宅」に該当すると考えられる。
質問
  1.  当社は宅建業者ではなく、物件も競売で取得したものであるが、このようなケースにおいても、当社が一般の消費者に物件を売却した場合には、品確法上の10年間の瑕疵担保責任を負うことになるのか。
2.  当社が転売により、一般の消費者に対し、平成21年10月1日以降に物件を引渡すことになった場合には、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(以下「瑕疵担保履行法」という。)に基づく瑕疵担保保証金の供託なり保険契約の締結をしておかないと、同法に違反することになるのか。
3.  この品確法における「新築住宅」と瑕疵担保履行法における「新築住宅」の定義は、同じものか。
回答
  (1)  質問1.について — 品確法上の瑕疵担保責任は、民法の特別法として規定されており、「新築住宅」の建設工事の請負人および「新築住宅」の売主すべてを対象にしている(品確法第94条、第95条)。したがって、貴社のような「新築住宅」の売主にも品確法の適用がある。ただ、本件の転売契約の締結時期が建物竣工後1年を経過してしまえば、建物はもはや品確法上の「新築住宅」ではなくなるので(品確法第2条第2項)、同法に基づく瑕疵担保責任を負うことはない。
(2)  質問2.について — 貴社は宅建業者ではないので、瑕疵担保履行法の適用はない(同法第1条)。ただ、貴社がこのような競売物件の売却を宅建業法第2条にいう「業として行う」(注)というものに該当する程度に行うことになれば、宅建業としての免許が必要となり、そうなった場合には、前記質問1.の場合と同様に、転売が建物竣工後1年未満の段階で行われたのであれば、建物が品確法上の「新築住宅」ということになるので、その引渡しが平成21年10月1日以降になるときは、瑕疵担保履行法上の保証金の供託か保険契約の締結が義務付けられることになる(瑕疵担保履行法第1条、第2条第1項)。
(注) 「業として行なう」の解釈については、平成15年7月10日国土交通省発出の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」第2条(用語の定義)第2号関係を参照。
(3)  質問3.について — 同じものである(瑕疵担保履行法第2条第1項)。つまり、瑕疵担保履行法は、品確法に定める「新築住宅」の売主および請負人が負う10年間の瑕疵担保責任を前提に、その瑕疵担保責任の履行を確保するための措置として、一定の建設業者と宅地建物取引業者に資力確保の措置を義務付けたものである(瑕疵担保履行法第1条、第2条第4項)。
 なお、瑕疵担保履行法は、建設業の許可を必要としない業者(1,500万円未満の建築工事一式または150m2未満の木造住宅工事のみを請負う業者=建設業法施行令第1条の2第1項)には資力確保の義務を課していないが、それでも品確法上の10年間の瑕疵担保責任は負わなければならない(瑕疵担保履行法第2条第2項、品確法第94条)。
 
参照条文
  ○ 住宅の品質確保の促進等に関する法律第2条(定義)
(1) (略)
(2)  この法律において「新築住宅」とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものを除く。)をいう。
(3)(略)
 
○ 同法第94条(住宅の新築工事の請負人の瑕疵担保責任の特例)
(1)  
住宅を新築する建設工事の請負契約(中略)においては、請負人は、注文者に引き渡した時から10年間、住宅のうち構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるもの(次条において「住宅の構造耐力上主要な部分等」という。)の瑕疵(中略)について、民法第634条第1項及び第2項前段に規定する担保の責任を負う。
(2)  前項の規定に反する特約で注文者に不利なものは、無効とする。
(3)(略)
 
○ 同法第95条(新築住宅の売主の瑕疵担保責任)
(1)  新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について、民法第570条において準用する同法第566条第1項並びに同法第634条第1項及び第2項前段に規定する担保の責任を負う。この場合において、同条第1項及び第2項前段中「注文者」とあるのは「買主」と、同条第1項中「請負人」とあるのは「売主」とする。
(2) 前項の規定に反する特約で買主に不利なものは、無効とする。
(3) (略)
 
○ 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第1条(目的)
 この法律は、国民の健康で文化的な生活にとって不可欠な基盤である住宅の備えるべき安全性その他の品質又は性能を確保するためには、住宅の瑕疵の発生の防止が図られるとともに、住宅に瑕疵があった場合においてはその瑕疵担保責任が履行されることが重要であることにかんがみ、建設業者よる住宅建設瑕疵担保保証金の供託、宅地建物取引業者による住宅販売瑕疵担保保証金の供託、住宅瑕疵担保責任保険法人の指定及び住宅瑕疵担保責任保険契約に係る新築住宅に関する紛争の処理体制等について定めることにより、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号。以下「住宅品質確保法」という。)と相まって、住宅を新築する建設工事の発注者及び新築住宅の買主の利益の保護並びに円滑な住宅の供給を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
 
○ 同法第2条(定義)
(1)  この法律において「住宅」とは住宅品質確保法第2条第1項に規定する住宅をいい、「新築住宅」とは同条第2項に規定する新築住宅をいう。
(2)  この法律において「建設業者」とは、建設業法(昭和24年法律第100号)第2条第3項に規定する建設業者をいう。
(3) (略)
(4)  この法律において「特定住宅瑕疵担保責任」とは、住宅品質確保法第94条第1項又は第95条第1項の規定による担保の責任をいう。
(5)〜(6)(略)
 
監修者のコメント
 本ケースの物件は、不動産業者が所有していた戸建住宅というのであるから、おそらく未使用のものであると思われるが、仮に竣工後1年未満であっても、たとえば、竣工後すぐに居住の用に供され、何らかの事情で住まわれなくなったという建物であれば、「新築住宅」ではないので、品確法も瑕疵担保履行法も適用されない。
 なお、金融機関が競売物件を売却する場合、それがあくまでも単発のものであれば、理論上は「宅地建物取引業」に該当しないが、金融機関だから競売物件や担保として取った物件を売却する場合は、常に宅建業法の適用がないと考えるのは正しくない。

より詳しく学ぶための関連リンク

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