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賃貸事例 1404-R-0132
建物賃貸借契約における修繕特約とそのトラブル防止法

 当社が取り扱う賃貸借物件の修繕義務については、「小修繕」を借主負担、「大修繕」を貸主負担としているが、入居後に発生する「小修繕」については、少なくとも1年間位は貸主負担とすべきだという入居者からの主張がある。この主張は正しいか。当社が使っている賃貸借契約書には、この入居者が主張するような内容は定められていないが、もし定めるとしたら、どのような契約文書になるか。

事実関係

 当社は賃貸借の媒介と管理を主業務にしている宅建業者であるが、当社が取り扱う賃貸借物件については、その修繕義務に関し、「小修繕」は借主負担、「大修繕」を貸主負担としている。にもかかわらず、故障が発生した場合には、そのほとんどの借主から、せめて入居後1年間位の間に発生した「小修繕」については、すべて貸主負担とすべきだという主張がなされている。

質問

  •  この借主の主張は、正しいか。
  •  当社が使っている賃貸借契約書には、この借主が主張するような内容は定められていないが、もし定めるとしたら、どのように定めたらよいか。

回答

1. 結 論
 質問1.について ― 本件は、契約の内容に関する問題であり、ケースバイケースで決められる問題であるから、正しいとか正しくないの問題ではない。
 質問2.について ― たとえば、修繕費用の分担条項の次に、以下のような「ただし書き」を追加する方法が考えられる。
(追加条項)
 「ただし、本物件の引渡し後、○か月が経過するまでの間に生じた本物件の「小修繕」については、借主の故意・過失等借主の責めに帰すべき事由によるもの以外は、貸主の負担とする。この場合、急を要するときは、借主はその旨を貸主に通知したうえで自ら行い、その費用を貸主に請求することができる。」
2. 理 由
⑴⑵について
 「大修繕」はともかく、「小修繕」については、入居後間もなく発生した故障については、そのほとんどのケースで入居者との間でトラブルになる可能性がある。その理由は、入居者は少なくとも入居後暫らくの間は故障はないと思って入居しているために、トラブルになるのだと考えられる。ということは、たとえば2年契約の賃貸借であれば、少なくとも最初の2年間位はそのようなことはないだろうと思って入居しているとも考えられる。したがって、借主にとっては、入居後半年位で発生した故障の場合は当然のこととして、1年程度で発生した故障の場合であっても、「なぜ、自分(借主)が費用を負担しなければならないのか。まともな建物だと思って賃料を支払っているのに、なぜなのか」という不満が生じてもおかしくはない。
 そのように考えてくると、中古物件の場合には【事実関係】にあるような「入居後1年」というのも1つの判断基準になるのではないかとも考えられるが、そもそも、たとえば「消耗品の交換」などという「小修繕」の場合は、借主が通常の期間、通常の使い方をして消耗させたものを借主が負担するという特約であると考えるのが普通であるから、通常の営業用の「手入れをしている建物」であれば、点検マニュアルの策定と合わせて検討する余地はあるのではないだろうか。

参照条文

民法第606条(賃貸物の修繕等)
 賃貸人は、賃貸物の使用および収益に必要な修繕をする義務を負う。
 (略)

監修者のコメント

 本件の借主の主張は、もっともな面は否定できない。しかし、それは契約の内容をどう決めるべきかの問題であって、もし、一定の契約内容が不満であれば、そのような内容の契約は締結しないという選択もできるのである。したがって、「正しい」とか「正しくない」という問題ではない。
 本件の借主の主張内容は、相応の理由をもっていると思われるが、実際には「1年間は貸主負担」としている例は、むしろ少ない。もし、そうするなら、最初から借主負担を前提に決定している賃料を値上げしたいと考える貸主が多く出てくると予想される。
 契約内容の一部分のみを取り上げて問題視するのは、必ずしも適切ではない。

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