不動産相談

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ホームページに掲載しています不動産相談事例の「回答」「参照条文」「参照判例」「監修者のコメント」は、改正民法(令和2年4月1日施行)に依らず、旧民法で表示されているものが含まれております。適宜、改正民法を参照または読み替えていただくようお願いいたします。

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賃貸事例 1402-R-0130
建物賃貸借契約における更新時の収入証明書の徴求の可否

 ある賃貸マンションのオーナー貸主から、更新の際にも借主から収入証明書を取り付けて欲しいという要望が出された。賃貸管理業者としては、これに応じなければならないか。借主が収入証明書の提出を拒否したときは、貸主は更新を拒絶することができるか。連帯保証人に対する収入証明書の徴求要望に対しては、どのように対応すべきか。

事実関係

 当社は賃貸借の媒介業者兼管理業者であるが、先日ある賃貸マンションのオーナー貸主から、これからは契約の更新のときにも、借主の資格審査のために収入証明書をもらって欲しいと言われた。その理由は、最近の経済情勢から、入居者がリストラにあったりして、入居者の所得に変動が生じている可能性があるからだというのである。
 なお、この賃貸マンションにおいては、借主に対し、更新時にも収入証明書を提出することを契約の条件にはしていない。

質問

  •  当社は、このような貸主の要望に応じるべきか。
  •  借主が収入証明書の提出を拒んだ場合、貸主は更新を拒絶することができるか。
  •  貸主が、連帯保証人にまで収入証明書の提出を求めた場合、管理業者としてどのように対応すべきか。

回答

1. 結 論
 質問1.について ― 本契約においては、契約の更新時にも収入証明書を提出することを契約の条件にしていないので、貸主の要望に応えるのはかなり難しいと貸主に伝えるべきである。
 質問2.について ― 収入証明書の提出を拒んだだけでは、更新の拒絶はできない。
 質問3.について ― 借主本人でさえ徴求が難しいのであるから、連帯保証人から徴求するのは更に難しいと貸主に伝えるべきである。
2. 理 由
⑴~⑶について
 借主からの収入証明書の徴求は、賃貸借契約を締結する場合の必須の業務である。したがって、その収入証明書を、契約の更新の際にも借主から徴求したいという貸主の要望については、一定の理解ができる。
 しかし、一旦賃貸借契約が締結された後は、仮に借主が職を失ったとしても、借主が約定どおりの方法で賃貸借物件を使用し、約定どおりの賃料を支払っている以上、貸主が賃貸借契約を解除したり、更新の拒絶をすることはできないのである。なぜならば、借主がその後に再就職することもあるし、ましてや契約違反をしているわけではないからである。したがって、借主が賃貸借契約を締結する際に、更新時にも収入証明書を提出することを約定しているのであれば格別、そうでない場合には、借主からの任意の提出がない限り、借主にその提出を請求することはできないと考えるべきである。このことは、連帯保証人に対し収入証明書の提出を求める場合においても、同じである。

監修者のコメント

 更新時にも収入証明書の提出を要する旨を仮に約定していたとしても、賃料の滞納もなく、他に何ら賃借人の債務不履行もないのにその不提出が更新拒絶の「正当事由」になり得るかすら、難しい法律問題である。ましてや、そのような約定もないケースでは、回答のとおり貸主の要望は無理である。

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