世界の不動産事情

酒井 寛子 氏 

 前回執筆記事: 供給ラッシュのホテル、今後の課題は「質」と「谷」

2018年08月14日公開 

マルタからの便り -前編-

地中海に浮かぶ小国マルタ。
仮想通貨とオンラインカジノの本拠地に


地中海に浮かぶマルタ共和国は人口43万人、面積は淡路島の半分にあたる316㎢の小さな島国です。1964年にイギリス連邦の自治領としてイギリスから独立し、74年に英連邦下でマルタ共和国となりました。04年にはEUに加盟しています。東西の結接点でもあり、地政学的な要衝として、過去、数百年、数千年に渡って民族や国家間の緊張のなかにありました。マルタ国内では各所にそうした痕跡が残っており、多様な文化が溶け合った独特の生活様式からも複雑な歴史を窺い知ることができます。東西冷戦の終結を宣言した「マルタ会談」の舞台といえば、ピンと来る方も多いでしょう。



風光明媚な自然や遺構も多く、そのため観光業は主要産業の一つです。政府は海外からの投資や学術機関、グローバル企業の誘致をはじめ、観光業の発展に向けたインフラ投資に積極的に取り組んでおり、至るところに工事用の大きなクレーンが見かけられます。また、海外からの投資や企業を呼び込むための優遇措置があり、最低の法人税率は5%とEU圏内の実質的な租税回避地としても知られています。



先般、日本ではカジノ法案が可決されましたが、マルタには3つのカジノがあります。いずれも新市街にあり、周辺では今もホテル開発が盛んで、従来のまちなみを刷新するような高層建物の建築ラッシュを迎えています。昼夜を問わず多くの観光客で賑わっていますが、一方でそうしたエリアや開発に対し、住民、観光客とも「マルタらしさがない」「商業主義的」などと嫌悪感を示す人々も少なからずいるようです。カジノはそうした住民の嫌悪感を低減するため、多くの住民を従業員として雇い入れています。給与の相場は、月800~3,000ユーロ以上(参考:2016年の1人当たりGDPは25,058ドル)と幅がありますが、マルタでは決して低くはないとのことです。



※マルタからの便り -後編- を見る

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