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賃貸事例 0706-R-0010
「営業委託契約」と「営業の賃貸借」

ある店舗で営業をしている経営者から、「営業委託契約書」を渡され、この店舗で営業してくれる人を探しているが「営業の賃貸借」でもよいと言われた。 この話は、店舗の賃貸借の話なのだろうか。

事実関係
   当社は賃貸専門の媒介業者であるが、このたびある人から店舗の借主を探している人がいるとの情報が入ったので、その店舗に行ってみたところ、その店舗の経営者から「営業委託契約書」というものを渡された。
 そこで、話を聞いたところ、依頼者からの依頼の内容は、要は、その場所(店舗)で依頼者が行っている営業を、引き続き看板を変えずにやってくれる人を探して欲しいということであった。
質問
  1. 「営業委託契約」とは、どういう契約なのか。
  2. 依頼者から「営業の賃貸借」という方式もあると聞かされたが、「営業委託契約」とどう違うのか。店舗(建物)の賃貸借ということにはならないのか。
回答
 
 
(1) 質問1.について
 「営業委託契約」というのは、その店舗での営業(経営)を委託する契約で、大別して、営業の名義も営業上の損益もすべて委託者のもとにおいてなされるもの(いわゆる「経営管理契約」)と、営業名義は委託者の名で行うが、損益は受託者に帰属するもの(いわゆる「経営委任契約」)がある。そして、その委託料の取扱いについては、前者(経営管理契約)の場合には、受託者が委託者から一定の報酬を受け取り、後者(経営委任契約)の場合には、逆に、受託者が営業の使用料として一定の報酬を委託者に支払うというのが一般的なかたちになっている。したがって、これらの場合には店舗の使用名義(営業名義)が変わらないので、新たな店舗(建物)の賃貸借という問題は起きない。
(2) 質問2.について
 「営業の賃貸借」とは、その店舗で営業をしている者から、営業(営業権=のれん)を借り受け、その対価として借主が賃料を支払い、当該店舗で営業をしていくという方式のことである。したがって、「営業の賃貸借」は、前述(上記(1))の後者の「経営委任契約」に似ているが、異なる点は、「経営委任契約」の場合には営業名義は委託者の名で行うが、「営業の賃貸借」の場合には、受託者(のれんの借主)の名義で行い、かつ、損益面においても委任者に独立して行うというところにある。
 その意味で、「営業の賃貸借」は、営業権(のれん)の賃貸借と店舗という建物の賃貸借が結合したものと考えられるので、借地借家法の適用を受けることになる。したがって、本件の依頼者(「営業の賃貸借」の貸主)が店舗を建物所有者から賃借して営業しているとすれば、今回の「営業の賃貸借」は、建物については「転貸」ということになるので、転貸についての建物所有者の承諾が必要ということになる。
監修者のコメント
 本件のようなケースで問題となるのは、賃借権の譲渡または賃借建物の転貸に当らないかどうかである。もし、当たると解されれば、賃貸借契約の解除の問題に発展する。

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