宅建マイスター
認定試験

土地と周辺環境の内在リスクを見つけよう
Mr.マイスターの回答 内在リスク7

ブロック塀の倒壊リスク

(1)(リスクの予見)

①  担当取引士の調査結果から、ブロック塀は、一部に傾斜や破損、基礎の亀裂があり、 倒壊するリスクが予見されます。

②  ブロック塀は、法令に適合した高さ、構造であるかの調査が必要です。(P232「【補足】 ブロック塀のリスクについて」参照)

(2)(リスクの調査)

① ブロック塀の高さ、厚さ、控壁の有無を現地で調査します。

② ブロック塀の一部にみられる傾斜や破損、基礎の亀裂を確認します。
あぶないブロック塀のチェックポイント(全国建築コンクリートブロック工業会ホームページ)

・傾き又はグラツキがある。塀が傾いていたり、手で押すとグラツキがあるものは、少しの揺れで塀が倒れる危険性があります。手で押して調べるときは周囲に注意して下さい。

・ひび割れがある。ひび割れは、その部分から雨水が入り中にある鉄筋をさびさせ、長い間には鉄筋がなくなってしまいます。少しの揺れで塀が倒れる危険性があります。

・高さが高すぎる。ブロックの厚さが10㎝の場合は塀の高さは2.0m以下、15㎝の場合で2.2m以下です。高い塀は強い地震の揺れで倒れ易くなります。

・控壁の間隔がひろすぎる。また控壁がない。高さが1.2mを超える塀では控壁が必要です。その間隔は3.4m以下で、この間隔が広すぎたり、控壁がない場合は、強い地震の揺れで倒れ易くなります。

・透かしブロックが連続して使用されている、また多すぎる。配筋用のエグレのない透かしブロックは必要な鉄筋が入りません。したがって、鉄筋の入っていないこのような塀は強い地震の揺れで倒れ易くなります。

・築後30年以上たっている。またブロックがボロボロである。長い間にブロックが劣化し、雨水が入り鉄筋をさびさせて塀の耐久・耐震性に問題がでます。

・石垣などの上に建っている。石垣の上の塀は、地震などの揺れに抵抗する鉄筋が、塀下の石垣に固定されません。したがって、少しの揺れで塀が倒れることになります。

・土留めに使っている。ブロックでの土留めは、後ろの土の重量を支えるだけのブロックの厚さや必要な鉄筋の本数が不足します。したがってこのようなつくりかたは地震で倒れる危険性が大です。

・ブロック塀の基礎は土の中に35㎝以上入っていなければなりません。基礎の部分を掘り起こして調べてください。この部分が浅いと地震の揺れにより倒れる危険性は非常に大きいものです。

・塀の中には直径9㎜(D10)の鉄筋が縦横とも最大80㎝間隔に入っていなければなりません。必要に応じて、鉄筋探査機などで鉄筋の有無を調べることもよい方法です。

・高さ方向に後から積み増しがされていないか調べてください。

(3)(リスクへの対応)

① ブロック塀の倒壊等による損害は、土地の工作物等の占有者及び所有者の不法行為責任(民法第717条)が問われることを、永田氏に説明します。(P232民法第717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)を参照。)

② 倒壊の危険性があるブロック塀は、売主が取壊しの上、対象不動産を買主に引き渡すことを助言します。

③ 現況のまま取引対象とする場合の重要事項説明は、P234の「重要事項説明書記載例」を参 照。

〈 お問い合わせ先 〉
認定試験、講座、学習方法に関する
電話相談受付中!
TEL. 03-5843-2078
11:00〜15:00 土・日・祝、毎⽉第1・3・5金曜休
※担当が不在の場合は折り返しご連絡させていただきます。
MAIL meister@retpc.jp
© The Real Estate Transaction Promotion Center