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土地と周辺環境の内在リスクを見つけよう
Mr.マイスターの回答 内在リスク3

高圧線による土地利用制限リスク

(1)(リスクの予見)

① 高圧線が通過する土地ついては、土地利用が制限されるリスクがあります。

② 使用電圧が17万V以上か17万V未満かによって、土地利用制限が異なるリスクがあります。

【参考】高圧線下地の土地利用制限

1.使用電圧が17万Vを超えるとき
  水平離隔距離3m(第2次接近状態といいます)以内には建造物の敷地として利用できないことになっています。つまり、高圧線の直下を含む側方3mの範囲に建物を建てることはできません。

2.使用電圧が17万V以下の場合
  送電線からの離隔距離、すなわち直線距離3m以上の距離を離隔すれば建物の建造が可能です。

3.電気設備の技術基準の解釈
  電気事業法(昭和39年法律第170号)に基づき、電気工作物が適合しなければならない技術基準として、「電気設備に関する技術基準を定める省令(平成9年通商産業省令第52号。)」が定められている。「電気設備の技術基準の解釈(20130215商局第4号。以下「電技解釈」という。)は、この電技省令の技術的要件を満たすものと認められる技術的内容をできるだけ具体的に示したものです。

物件の種類 距離 7000V超~
35000V以下
(基準解釈106条)
35000V超~
170000V以下
(基準解釈97条)
170000V超
(基準解釈97条)
建造物 離隔距離 3m以上 (3+C)m以上
水平離隔距離 建造物の下方に接近する場合のみ
3m以上
3m以上

C=(使用電圧-35000V)÷10000V×0.15 下線部は小数点以下切り上げ
架空電線の種類がケーブル・特別高圧絶縁電線の場合等の離隔距離の緩和あり

物件の種類 距離 25000V超~
60000V以下
60000V超
その他の工作物
(基準解釈102条)
離隔距離 2m以上 (2+C)m以上
水平離隔距離 工作物の下方に接近する場合3m以上
植物
(基準解釈103条)
離隔距離 2m以上 (2+C)m以上

C=(使用電圧-35000V)÷10000V×0.12 下線部は小数点以下切り上げ
架空電線の種類がケーブル・特別高圧絶縁電線の場合等の離隔距離の緩和あり
基準解釈:「電気設備の技術基準の解釈」
(引用文献:「特殊な画地と鑑定評価」 第12章 高圧線下地 門脇英雄259P)

(2)(リスクの調査)

① 対象不動産を通過する送電線の近くの鉄塔に表示された設置者、鉄塔番号を確認します。
鉄塔1箇所あたりの碍子の取付け個数によって、概ねの送電電圧が判断できます。

送電電圧 がいしの個数
2~3万ボルト 3~4個
7万7千ボルト 5~9個
15万4千ボルト 7~21個
27万5千ボルト 16~25個
50万ボルト 20~41個
(出典:関西電力Facebook)

② 高圧線下地の電気事業者と土地所有者の契約関係を調査します。

ア.地役権設定契約
最も一般的な方法は、電気事業者が土地所有者との間で地役権(民法第281条)を設定することです。地役権の設定登記をすることで第三者に対抗することができ、高圧線下の土地に立ち入ることができます。地役権設定の対価は、通常、設定時に一括で支払われます。

地役権設定登記がされている場合の例

原因 昭和●年●月●日設定

目的 送電のために電線の支持物の設置を除く電線路の施設をすること。この送電線の最下垂時における電線から3.6mの範囲内に家屋、工作物の設置及び竹木の植栽などをしないこと。ならびに電線路保守のための土地立入りを許容すること。

範囲 東北隅○○.○○㎡(注:対象不動産の一部が地役権の設定範囲であることを示します。)

要役地 X市●●町○○番

地役権図面第●号(注:地役権の設定範囲が図示されています。)

イ.債権契約他

・ 電気事業者が土地所有者との間で送電線架設保持に関する契約(債権契約)を締結する場合です。債権契約では、その後、土地を譲り受けた第三者に対抗できないので契約の効力を主張できません。この債権契約は建物所有を目的としないので、借地借家法の適用を受けません。債権契約の場合、対価は年払いです。

・ その他、区分地上権(民法第269条の2)の設定契約の場合もあります。また、例外的に高圧線下地の利用に関する契約関係がないこともありますが、この場合には地役権の時効取得の可能性があります。

③ 電気事業者にも次の事項を確認します。

ア.送電線の使用電圧は17万ボルト以上か17万ボルト未満か。

イ.垂線下水平距離(一番外側の電線からの水平距離)は、何メートルか。

ウ.離隔距離(最も低い電線から隔離する距離)は、何メートルか。

(3)(リスクへの対応)

① 重説・契約書に、地役権設定登記がある場合はその内容を、地役権設定登記がない場合は、架設送電線路に関する契約書等で確認できる土地利用の制限内容を記載します。

・地役権設定登記がある場合の重説の記載例
本物件の一部(北西部分)は、高圧送電線下地に該当し、○○電力株式会社との間で下記内容の地役権設定契約が締結されています。本物件の売買価格は、本物件の一部に地役権が設定されていることによる減価が生じていることを考慮し、近隣の標準的価格から〇%減額した価格を売買価格とすることに売主・買主合意したことを確認します。

② 対象土地が高圧線下地でなくても、その隣接地等で高圧線による心理的影響、人的影響等が懸念されますので、高圧線の使用電圧等を調査し、重説・契約書に記載することが必要です。

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