RE:アラカルト

(株)リーシングジャパン 代表取締役

沖野 元氏 

広島県出身 日本大学経済学部卒
教育産業、貿易業等に従事した後、大手不動産会社に転職。
平成21年、独立し現職に。
賃貸・売買仲介、管理を中心に、客付けに特化したリーシングコンサルタントとしても活動。
執筆・講演多数。定期借家契約に詳しく、共著に「最強の定期借家入門」(プラチナ出版)がある。

沖野  元氏

2018年12月14日公開 

難しい案件にこそ使える定期借家契約の知識!

2018年2月と7月に国土交通省から定期借家契約(以下定借)についての通知があったことをご存じだろうか。これについての詳細な解説は住宅新報等で弁護士の吉田修平先生が行っているので、ここでは簡単なものにとどめたい。要するに定借における事前説明書面を重要事項説明書(以下重説)と同じ書類にしても問題ないとの見解を示したものである。

これは宅建業者に対して定借の普及を促すため、そのハードルのひとつになっている手間を少しでも軽減しようというもので、一定の評価はできる。ただ、言ってみれば重説と事前説明書面を別書面にしなくてもよいという、ただそれだけの話なので負担軽減効果、普及促進効果として大きなものではない。

運用側として定借を使っている私からするとお客様に定借の認知度をアップさせたり、宅建業者に定借の正しい使い方を教える方がよほど効果的ではないかと思う。つい先日も某大手保証会社の支店長から定借のやり方を間違えている宅建業者が多いので、いざ裁判になったらヤバいのではないかという話を聞いた。まったく定借にまつわる誤解や勘違いが多いのには閉口する。不動産テックが盛り上がりを見せている昨今、不動産業の業態が大きく変わろうとしているのは誰もが感じていることだろう。単なる仲介や単なる管理ではやっていけなくなるのは目に見えている。一歩進んだコンサルティングが求められているのである。

空き家820万戸の問題、そして老朽化した不動産の建替えが進まない問題などにおいて今後、定借を活用する機会は増えてくるだろう。ここでは具体的に定借が活用できるケースについていくつか考えてみたい。

ケース1 空き家を再生して賃貸に出す場合
空き家はもと実家や親族の家であることが多く、「思い出がある」など感情的な理由から売ることに抵抗があると聞く。
将来的には建て替えたり、自分たちが使ったりということもあるだろう。そうすると一定期間だけ貸すことのできる定期借家が適していることになる。

ケース2 高齢者、外国人、低所得者を受け入れる場合
リスクの高いと思われる入居者を受け入れる場合、オーナーにとっての不安は尽きない。
何かあったときに借り手の方が法的に強い立場になる普通借家契約では、すみやかな退去は望めないからである。その不安を軽減するためのひとつとして定期借家契約を提案するとよい。
入居希望者にしてもただ断られるよりは一定期間だけでも貸してもらえ、問題ないことを示せばさらに貸してもらうことが可能な方が良いことは言うまでもないだろう。

ケース3 建替えが迫っている物件の場合
老朽化した賃貸物件は競争力がなくなり、空き家になりやすい。
リノベーションなどのリニューアルや建て替えを迫られてくるのは時間の問題で、いつまでも放置はできない。建て替えはもちろん、大規模な改修は入居者に退去してもらわないとできないことが多く、立ち退きの問題が発生する。そこで多額の立ち退き料を支払わざるを得ない普通借家契約ではなく、定期借家契約の活用によりスムーズな立ち退きを実現させることができる。

このように定期借家契約はさまざまな難しい案件で使えるので、その正しい知識を持っておくことはプロとして必須と言ってよい。使い方の詳細は拙書「最強の定期借家入門」(プラチナ出版社刊)を参照されたい。

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