世界の不動産事情

酒井 寛子 氏 

 前回執筆記事: 供給ラッシュのホテル、今後の課題は「質」と「谷」

2018年08月20日公開 

マルタからの便り -後編-

地中海に浮かぶ小国マルタ。
仮想通貨とオンラインカジノの本拠地に


マルタのカジノは、国民は25歳以上、外国人は18歳以上が利用できますが、マルタ市民で学校教師のステファノ氏は「ラスベガスには行ったことがあるけれど、マルタのカジノには行ったことがない」と話します。カジノは余暇を持て余した観光客が時間とお金を費やして即物的な歓びを得る場所であり、マルタが生活の場であるステファノ氏にとってはその時間とお金があれば生活に継ぎこんだ方がよいと考えているようです。



また、「カジノで働く友人が仕事の内容に見合わない高いサラリーをもらっているのをみると、とてもじゃないが行く気にはなれない」(ステファノ氏)というのが本音でしょう。しかし、同氏の友人の中には「カジノ中毒」に陥った夫婦が実際にいるとのこと。彼らは寝ても覚めても、買っても負けてもカジノのことが頭から離れず、生活が破たん状態にあるようです。

ただ、ステファノ氏はこうも指摘します。「依存症問題は確かに問題。でもリアルなカジノは規制がしやすい一方、オンライン上のカジノ、ゲーミングは規制が難しく、歯止めも効きにくい。そしてもはや、リアルのカジノの比較にならないほど大きな市場になっている」。

オンラインカジノ先進国のマルタは、仮想通貨の流通量も世界最大で、国を挙げて「ブロックチェーン先進国」となるべく政策を推進しています。マルタ国内には仮装通貨のビットコインのみでしか決済ができないお店もあるほどです。また、海外の企業がマルタ国内に設立した現地法人を通じて、仮想通貨をオンラインカジノで使用できるようにする計画も発表されています。新たな市場の発展と規制のあり方に世界の注目が集まっています。



※マルタからの便り -前編- を見る

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