幅広い分野の学習と、苦手な分野を重点的に学習することで
知識の底上げができ、より建設的な議論ができるように
山下 勇介さん(千葉県)
令和3年度試験合格 公認 不動産コンサルティングマスター
勤務先業種:総合不動産業、開発企画 経験年数:10年
Q1. 受験の理由は?
元々は建築設計・工事監理の仕事をしていましたが、グループ企業の不動産会社に出向となり、現在は不動産の開発企画、事業性検討の業務を実施しています。お客様からの依頼に基づいて土地や建物の有効活用検討をする中で、建築技術の知識だけでなく、法律や税務、経済といった幅広い知識がないと総合的な検討が実務としてできないと感じ、職場の上司の勧めもあって、試験合格を目標に勉強を始めました。
Q2. 学習方法は?
学習ツール
●「入門研修インターネット通信講座」(基本テキスト3分冊付)
● ステップアップ・スクーリング受講
● 過去問題集10年分 ● 宅建士定期講習の書籍「税制の手引き」
● テキスト内で紹介されていた白書やレポート ● 不動産業ビジョン 等
具体的な学習方法
6月下旬〜8月下旬 2カ月で
基本テキスト3冊を読みながら、適宜
通信講座にて練習問題を実施
9月上旬〜10月中旬
過去問10年分を解いて、問題の傾向や重点学習のポイントを掴む
10月中旬
スクーリング
10月下旬〜11月中旬 スクーリングの内容と過去問の重点ポイントを踏まえて
復習を行った
平日・休日の学習時間
6月下旬から11月中旬まで約5カ月で160時間程度、
平均すると週に7〜9時間学習しました。平日は早めに帰宅した
日に30分~1時間、基本的には
週末土日にそれぞれ3、4時間学習するようにしていました。
どちらかというと時間ではなく、
その週にどの単元を学習するか、過去問であれば何年分を解くかを決めておいて、それがその週のうちに終わるように進め、遅れが生じているときには祝日や夏休みが取れた日に挽回するようにしました。
おススメの受験対策
基本テキストは早い段階で一度目を通しておくこと、過去問は5、6年分解いてみることで択一式試験の傾向や、記述式試験の解き方、選択科目でどれを選択するかが見えてくるため、10月のスクーリングまでにある程度それを終わらせておいて、
スクーリング後は重点学習項目の復習や白書系の学習をすると自信をもって試験に臨めると思います。
Q3. 学習した感想は?
事業や実務の科目については日ごろの業務にも関わってくる重要な内容であり、しっかりと理解して取り組むことで、今まで何となくしか理解していなかったことが明確になり、一度理解してしまえば自信をもって解けるようになりました。また、税務については非常に多岐にわたるため、全てを覚えるのは難しいものの、「税制の手引き」を活用することで体系立てて仕組みを理解しておくことが重要だと感じました。
不動産業ビジョンや白書、各種レポートについては、継続的に情報収集するべきソースのありかや不動産関連の経済基礎を学ぶことができました。
Q4. 試験はどうでしたか?
自己採点では択一式試験は7割以上、記述式試験は8割以上、全体で150点以上取れていました。
択一式試験
基本テキストの
頻出分野を重点的に学習したことや、テキスト以外の
白書やビジョンについても一通りしっかり目を通して、ポイントとなる
社会経済情勢を確認しておいたことが良かったと思います。
記述式試験
事業の科目の計算問題や自身の専門の建築の選択科目が自信をもって解けたことと、実務の科目で応用力の問われる問題が出たものの
基本問題は解けるようになっていたので、そこから理屈で考えて計算して解いたものが自信はなかったものの結果として正解であったことが大きかったです。
Q5. 不動産コンサルティングマスターに合格して・・・
スクーリングの際に講師の方が、「お客様が今困っていることだけでなく、今後、困るであろうことを推測して、親身になってその対策を一緒に考えていく姿勢が信頼関係を作り、一度その関係が構築できれば個人の資産に関わるような内容でも、様々な相談をしてもらえるようになる。それがコンサルティングの醍醐味である」というようなことをおっしゃっていたのが印象的でした。
私も不動産コンサルティングマスターの資格保有者として、自己満足な不動産活用提案を押し付けるのではなく、資産オーナーやその不動産に関わるお客様の困りごとを解決し、ニーズを引き出して提案できるように、法律や社会・経済の情勢にもアンテナを高く張り、不動産、建築の実務について自己研鑽を続けたいと思います。
Q6. これから合格を目指す方へメッセージを!
この資格の合格を目指して学習することで、不動産に関わる事業、実務、法律、経済、金融、税務、建築といった幅広い分野の学習を体系的にすることができ、自身の中で不動産コンサルティングの基礎を作ることに役立ちました。特に、日ごろ忙しい中で業務を行っていると、専門外の分野は詳しい人に聞いたり、任せてしまったりして自分ではよく分かっていないまま仕事は進んでしまうことが多々ありましたが、この学習の機会に苦手な分野を重点的に学習することで知識の底上げができ、開発企画の提案や土地の地権者様や一緒に仕事をする鑑定士等の専門家の方ともより建設的な議論ができるようになったと思います。