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賃貸事例 1106-R-0090
サブリース業者の倒産による直接契約への切り替えの方法

 当社は、今までオーナーがサブリース業者に転貸を認めていた物件を、サブリース業者の倒産により管理することになったが、オーナーからは、このサブリース業者とのサブリース契約の解除とそれに伴うエンドユーザーとの直接契約への切り替えを依頼された。どのように対応したらよいか。その際、エンドユーザーから、あらためて敷金を差し入れてもらうことができるか。

事実関係

 当社は賃貸の媒介業者兼管理業者であるが、このたび新たな管理物件として、あるオーナーから、今までサブリース業者に転貸を認めていた物件を、サブリース業者が倒産したので、サブリース契約を解除したうえで、管理をして欲しいという申し入れがあった。そして、その申入れにあたり、オーナーからは、とりあえずオーナーとサブリース業者との連名で、エンドユーザーに対し、これからはオーナーとの直接契約になる旨を通知し、併せて賃料の振込先もオーナー名義の口座になる旨の通知も出したとの説明を受けた。
 なお、現在サブリース業者からオーナーに差し入れられている敷金は月額賃料の5か月分ということになっているが、このサブリース業者はすでに賃料の3か月分を滞納しているので、エンドユーザーから預かっている敷金についても、すでに費消している可能性がある。

質問

  •  このような状況の中で、オーナーとエンドユーザーとの賃貸借契約に切り替えなければならないが、契約書の内容は、現在の転貸借契約書と同じ内容・同じ条件にする必要があるか。
  •  その際、敷金の取り扱いはどのようにすべきか。
     判例上は、オーナーの承諾を受けた転貸借であっても、オーナーがサブリース契約(賃貸借契約)を債務不履行解除した場合には、転借人であるエンドユーザーは、賃貸人であるオーナーに対抗できないので、オーナーはエンドユーザーに対し、あらためて敷金を差し入れるよう請求できると思うが、どうか。

回答

(1)  質問1.について ― 必ずしも同じ内容・同じ条件にする必要はないが、特別な事情がない限り、同じようにした方が円滑に切り替えができることだけは間違いない。
(2)  質問2.について ― 判例上の原則は確かにそのとおりであるが、本件の場合は、後記【参照判例】(最判平成14年3月28日)にもあるように、信義則上問題が生じる可能性があり、エンドユーザーにあらためて敷金を差し入れさせるのは適切ではない。
 それよりも、オーナーとしては、早くエンドユーザーとの直接契約に切り替えて、早くエンドユーザーから賃料が入ってくるようにした方がよいのであるから、そのためには、オーナーとサブリース業者とのサブリース契約の解除方式を債務不履行解除ではなく合意解除(解除契約)のかたちにし、エンドユーザーからサブリース業者に差し入れられていた敷金について、その解除契約の中で、その返還債務をオーナーが引き継ぐかたちにすればよい。そしてそのうえで、新たな賃貸借契約書の中にも、新貸主(オーナー)が新借主(エンドユーザー)から直接敷金を預かったことにし、新たな預り証も発行したうえで、新契約に切り替えていくことが肝要であろう。
 なお、この切り替えを早く行えば行うほど、サブリース業者の滞納分は増えないのであるから、今月中に切り替えが完了すれば、現在サブリース業者がオーナーに差し入れている敷金の残り分で、エンドユーザーからの敷金の預り分をカバーすることもできるのではないかと考えられる。

参照判例

 最判昭和36年12月21日民集15巻12号3243頁(要旨)
   賃借人の債務不履行により賃貸借契約が解除された場合には、その結果転貸借は履行不能により終了し、転借人は賃貸人に対抗することができない。
     
 最判平成9年2月25日民集51巻2号398頁
   賃貸借が賃借人の債務不履行を理由とする解除により終了した場合、賃貸人の承諾のある転貸借は、原則として、賃貸人が転借人に対して目的物の返還を請求した時に、転貸人の転借人に対する債務の履行不能により終了する。
     
 最判平成14年3月28日民集56巻3号662頁
   ビルの賃貸・管理を業とする会社を賃借人とする事業用ビル一棟の賃貸借契約が賃借人の更新拒絶により終了した場合において、賃貸人が、賃借人にその知識、経験等を活用してビルを第三者に転貸し利益を上げさせることによって、自らも各室を個別に賃貸することに伴う煩わしさを免れるとともに、賃借人から安定的に賃料収入を得ることを目的として賃貸借契約を締結し、賃借人が第三者に転貸することを賃貸借契約締結の当初から承諾していたものであり、かつ、当該ビルの貸室の転借人および再転借人が、右の目的の下に賃貸借契約が締結され転貸および再転貸の承諾がなされることを前提として、転貸借契約および再転貸借契約を締結し、再転借人が現にその貸室を占有しているなどの事実関係があるときは、賃貸人は、信義則上、賃貸借契約の終了をもって再転借人に対抗することができない。

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