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ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
掲載されている回答は、あくまでも個別の相談内容に即したものであることをご了承のうえご参照ください。
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また、参照条文は、事例掲載日現在の法令に依っています。

賃貸事例 1304-R-0116
解約による期間満了後の明渡しと更新料請求の可否

 建物賃貸借契約の期間満了1か月前に、借主から、「約定に基づいて解約するが、明渡しが3か月後になる。」という申入れを受けた。このような場合、貸主は借主に対し、約定に基づく更新料の請求ができるか。
 これに対し、借主は、「約定どおり、期間の満了1か月前に解約の申入れをしたので、契約は更新されておらず、期間満了後の2か月間は、明渡しが猶予されている。したがって、更新料は支払う必要はない。」と主張しているが、この主張は正しいか。

事実関係

 当社は賃貸の媒介業者兼管理業者であるが、このたび当社が管理している建物賃貸借契約に関し、借主から、期間満了1か月前に、「約定に基づき解約するが、明渡しが3か月後になる。」という申入れを受けた。
 そこで当社は、貸主にその旨を連絡したうえ、期間の満了時点で借主に対し、約定に従い、賃料の1か月分相当額の更新料の支払いを請求した。ところが借主は、その更新料の請求はおかしいと言ってきた。
 その理由は、「本件の賃貸借契約においては、解約の申入れは1か月前までに行うことになっており、借主は約定どおり、期間満了1か月前までに解約の申入れをしたのだから、この契約は更新されておらず、期間満了後の2か月間は明渡しが猶予されている。したがって、借主が支払う金銭は、2か月分の賃料相当額だけであって、更新料は含まれない。」というものである。


質問

  •  この借主の主張は正しいか。
  •  このような場合、賃貸管理業者としてはどのように対応したらよいか。

回答

1.   結 論
 質問1.について ― 正しくない。
 質問2.について ― 更新料を月割りで計算するということで、当事者を説得するというのが適当であろう。
2.   理 由
⑵について
 本件のトラブルの原因は、借主からの解約申入れがあったときに、貴社が借主に対し、更新料の話をしなかったことにある。なぜならば、貴社は、本件の借主からの解約申入れが、建物の明渡しを伴った1か月前の解約申入れになっていないにもかかわらず、貴社が更新料の問題に触れないままその申入れを受けたために、借主が、期間の満了後の2か月について、貸主から明渡しが猶予されているというような誤解をしてしまったからなのである。
 そもそも本件の契約は、法的には、借主の主張どおりの解約申入れがあったとすれば、借主が解約の申入れをした日の1か月後の期間満了日をもって契約は解消され、終了するわけであるから、借主は、その契約の終了までの間に、建物を原状に復し、明け渡さなければならないのである。したがって、契約が終了したあとの2か月間というのは、貸主が明渡しを猶予するという同意をしない限り、借主の「明渡し遅延」ということになるのである。そうなれば、約定いかんによっては、借主が賃料の倍額以上の違約金を貸主に支払うというようなケースも稀ではないのである。
 本件の契約において、そのような「明渡し遅延」に対する違約金の定めがあるのかどうかは定かではないが、いずれにしても、管理会社である貴社の不適切な対応によってこのようなトラブルが生じたわけであるから、本件の解決にあたっては、場合によっては、貴社が更新料の月割り分を負担するというような対応も必要になってこよう。

監修者のコメント

 本ケースの借主の主張すなわち「期間満了後の2か月間は明渡しが猶予されている」というのが、契約中又は合意で取り決められているのであれば、借主の主張がまったく正当であるが、そうでなければ回答のとおり、その主張は通らない。しかし、だからといって、正規の更新料を支払わせるのは事実上酷である。現実的には、回答のような解決策が妥当である。仮に、本件が調停や訴訟になっても、そのような内容で落着するものと思われる。

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